日本企業がケニアに進出する際に押さえておきたいポイントー事業機会編ー

2020.06.11
ANZA編集部
日本企業がケニアに進出する際に押さえておきたいポイントー事業機会編ー


前回は基礎編としてケニアの基礎情報をお伝えしましたが、今回はマクロ指標(GDPと貿易データ)の分析と主要産業における現地企業例をトピックとして取り上げ、日系企業にとってどのような事業機会がありそうか考えてみたいと思います。

農業国ケニアの2大産業、花卉類(主に薔薇)と紅茶


ケニアの2019年の名目GDPは総額9.7兆シリング(約9.7兆円、1シリング=1円で換算)で前年比5.4%成長。

表1は名目GDPのセクター別割合です。まず目立つのが、約1/3を占める農林水産業です。ナイジェリアとは異なり農業国であることが大きな特徴です。

ここで表2の2019年の輸出データを見てみると、園芸(花卉類、主に薔薇)と紅茶がそれぞれ20%超、この2つで輸出の約45%を占めています。まさにケニアの2大産業と言って過言ではありません。

表1 ケニアの名目GDP、2019年
表2 ケニアの輸出内訳(2019年、金額ベース)

紅茶など国際競争の激しいセクターはオートメーション化も視野に入れている


紅茶について詳しく見てみます。輸出量ベース(2018年)では世界トップの約50万トン、世界の輸出量全体の約4割。その内、約4割がパキスタン向けという状況です(パキスタンからは米を43.5万トン輸入)。

ケニアの紅茶産業には小規模栽培者のためのケニア茶業開発機構(KTDA)と大規模農園を運営するその他の企業が存在しています。KTDAには昨年インタビューを実施したのですが、生産性向上のために生産工程におけるオートメーション化を検討しており、例えば混入物を排除するシステムなどを日本企業から提供してもらえないか?といった具体的なニーズも聞いております。
(詳しくはこちら

農作物はこの他にも、コーヒー豆、エンドウ豆、アボカド、ゴマ、マカダミアナッツなどが輸出されており、生産量増加に伴って、質の高い加工機械のニーズや生産効率を上げるオートメーションシステムなどの事業機会が眠っているのはではないでしょうか。

製造業は産業機械にまだまだ日本製品のニーズあり


ケニヤッタ大統領は主要政策をBog4と称し4本の柱を打ち立てました。そのうちの1つが製造業の強化です。

表1にある通り、GDPに占める製造業の内訳は7.5%と低水準です。(目標15%)

政府としては、EPZ(輸出加工区)などの特区を設けて企業の輸出競争力を強化する支援も行っており、国内産業の育成として製造業に注力しています。物流インフラの未整備、人材育成の遅れなど様々な課題はあるものの今後大きく投資が進む産業と考えて間違いないでしょう。

今回は具体例として現地企業を2社ご紹介します。

United Aryan社
衣服の製造、輸出を行うアパレル企業。EPZ企業(輸出加工区)であるため、全て輸出向けで95%が米国向け。H&Mやリーバイスなどグローバル企業向けに卸しています。

ナイロビの工場で使われているミシンの多くは日本のブラザー工業とJUKI(さすがです!)。

オートメーション含めた生産性向上に寄与するシステムや生産キャパシティ拡大のための出資提携含めて資金調達に興味があると聞いています。

Dune packaging社
1999年設立の大手紙袋製造メーカー。Thikaに本社、工場を持ち、従業員は500名程度。用途はお茶、砂糖、小麦、木炭、その他農産物、飲食店用など多岐にわたります。インクの新たな調達先、オートメーションシステム、出資提携など日系企業と多岐にわたった提携を模索しているようです。

余談ですが、上記2企業、いずれも印僑系企業です。今回の主眼ではないので深くは書きませんが、ケニアではインド系3世や4世など植民地時代にケニアに移住してきた印僑が多数存在してます。商才あふれる印僑はケニアでも様々な業界で成功しており、ケニアの経済界を語る上で欠かせない存在です。

今回はKTDA社、United社、Dune社しか紹介できませんでしたが、食品加工や製造業には、日本製の品質の高い工作機械やオートメーションシステムなどに大きなニーズがあります。

現地駐在員として今後も多くの企業にアプローチしてニーズをヒアリングしたいと思っておりますので、ビジネスマッチングでご確認頂ければと思います!

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《参照》
2020年6月8日閲覧
Economic Survey 2020
UN Comtrade
AAICインタビュー

 

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