総計152百万ドルを調達のChipper Cash
アフリカでクロスボーダーの決済アプリを提供するChipper Cash(チッパーキッシュ)がシリーズCで100百万ドルの資金調達を達成しました。同社は、Anzaを運営するAAICグループのアフリカヘルスケアファンドの投資先でもあります。
2018年に設立された同社はこれまで、2019年のシードで8.4百万ドルを調達したのち、2020年のシリーズAで13.8百万万ドル、シリーズBで30百万ドルを調達してきており、総計で152百万ドルを調達してきました。この2年半の動きからも、Chipper Cashが今アフリカで最も勢いにのるスタートアップの1つと言えるでしょう。
同社の勢いは今回の調達額以外でも様々な指標から読み解くことができます。この1年で100人を採用し、従業員規模を約1.5倍の300人以上に拡大していく計画があることや、昨年比でユーザー数が33%増の400万人に到達したことがまさにその例です。
8ヵ国で展開する送金・決済サービス
同社は現在、アフリカ7ヵ国(ガーナ、ウガンダ、ナイジェリア、タンザニア、ルワンダ、南アフリカ、ケニア)に、イギリスを加えた8ヵ国でサービスを展開しています。
具体的なサービス内容は、手数料無料の国内展開の海外送金サービスに加え、Visaのバーチャルクレジットカードの発行、仮想通貨(暗号資産)や株に関する投資サービスを提供しています。
これらサービスに関する需要も高く、昨年6月に月間で1億ドルの取引が行われ、同年11月の月間で1日平均8万件の送金が行われていました。
*詳しい収益等については公開されていませんが、同社が提供するクロスボーダーの決済サービスがアフリカでも多く利用されていることが窺えます。
(*直近の取引額、取引件数ともに非公開)
同社のサービスがここまで人気を集めた背景にはアフリカでの送金時の法外な国際レートや、それにかかる規制を解消できるサービスにあります。
同社は全ての送金手数料を無料にし、海外送金時の国際レートも低く設定しています。またスマートフォンの数タップで簡単に送金でき、少額の送金でも積極的に使用することができます。
アフリカで盛り上がりを見せる仮想通貨
また昨年のシリーズBを終えた同社は、仮想通貨に関するサービスの拡大を目指すと発表していました。近年仮想通貨は、投資利用を目的にアフリカでも盛り上がりを見せており、イギリスの仮想通貨取引企業のLunoでは全顧客700万人のうち、470万人がアフリカにいるというデータも出ています。
シリーズCを終えた現在、アフリカでの仮想通貨取引のほとんどを占めるナイジェリア、南アフリカ、ケニアでの活動もさらに活発化させています。ただし仮想通貨市場がアフリカ最大のナイジェリアでは、同社のアプリを利用した仮想通貨の売買が法律上はできない状況にあります。
この原因はナイジェリア中央銀行の仮想通貨に関する規制が影響しており、銀行口座から仮想通貨への変換が禁止されていることにあります。今後ナイジェリア中央銀行がその規制を緩和するのかは不透明ですが、同社のサービスがアフリカの多くの人々に仮想通貨での投資機会を提供していくことは間違いありません。
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ANZAは日本企業のアフリカ進出を支援するAAICが運営しております。AAICのこれまでのアフリカでのプロジェクトはこちらからご覧いただけます。
《参照》
2021年6月6日閲覧
「SVB-led $100M investment makes Chipper Cash Africa’s ‘most valuable startup’」
「African crypto usage spurs Luno as customers reach 7M」
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