今年7月7日にニジェールで開かれたAUサミットでAfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)設立協定の運用が正式にスタートしました。今後のアフリカの経済の成長を大きく加速させると期待されているAfCFTA。改めてAfCFTAとは何か、どのような影響をもたらすのかを、World Economic Forumの関連記事、“How Africa’s free-trade zone will provide an economic boom”(2019年7月8日)の記事を参照して、整理したいと思います。
AfCFTAを含めたアフリカの貿易事情はこちらよりご確認頂けます。
AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)とは
“AfCFTAの取り組みが成功すれば、13億人を団結させ、3.4兆ドルの経済圏を作り上げ、新しい発展の時代の到来を期待できる。4年の協議の末、2019年3月に55ヶ国で貿易圏を形成することで合意に達し、アフリカ連合のニジェール首脳会議への道が開かれた。”
“AfCFTAは1994年に世界貿易機関が設立されて以来、最大の自由貿易協定FTAとなる。協定地域内の貿易促進、サプライチェーンの強化、専門知識の共有により、アフリカの長期に渡る経済的成長が期待される。”
“アフリカには、すでに西アフリカ諸国経済共同体（ECOWAS）、東アフリカ共同体（EAC）、南部アフリカ開発共同体（SADC）、東南部アフリカ市場共同体（COMESA）が存在する。しかし、主にケニアが主導するEACのみが、商品とサービスの共通市場に向けて大きな進歩を遂げた。これらの地域経済共同体（REC）は、現在と同じく取引を続ける。AfCFTAの役割は、現在同じRECに加盟していない加盟国間の貿易を自由化することであると、南アフリカの貿易法機関であるTralacのディレクターであるTrudi Hartzenberg氏は述べている。“
AfCFTAがアフリカにもたらすものとは
“アフリカは、2017年の域内貿易の輸出はわずか17％だった。これは、アジアが59％、ヨーロッパが69％であることと比較しても、非常に低い。経済学者によると、道路や鉄道などインフラが十分でないこと、過剰な国境官僚制度、成長と統合を妨げてきた社会システムなど、多くの深刻な課題が残っているという。”
“AfCFTA加盟国は、中期的には地域の貿易を15〜25％増加させるほとんどの商品の関税を撤廃することを約束したが、国際通貨基金（IMF）の推定によると、他の深刻な問題が解決された場合、2倍以上の増加を見込めるという。”
“IMFは2019年5月のレポートで、AfCFTAをヨーロッパと北米の成長を後押しする潜在的な「経済的ゲームチェンジャー」と説明したが、「関税を引き下げるだけでは不十分である」と注意書きを追加した。”
“アフリカ最大の経済国であるナイジェリアがサミットで協定に署名することに合意し、ベナンもその後参加することに同意した。アフリカ大陸の55ヶ国のうち54ヶ国が現在参加を表明してるが、これらの約半数のみが批准している。”
“新興市場経済学者のジョン・アシュボーン氏は、石油輸出に大きく依存しているナイジェリアのような比較的発展した加盟国については、AfCFTA参加のメリットは他の国々よりも少ないだろうと述べている。
ナイジェリア当局者は、国内に低価格の商品が入ってくる可能性があるという懸念を表明し、国内の製造業、農業に力を入れている。一方のアフリカで最も発展している南アフリカの製造業者は、通常の輸出市場から西および北アフリカに輸出市場を急速に拡大し、他の国の製造業者よりも有利になるとアシュボーン氏は述べた。“
“アフリカ連合によると、サミットでは、原産地規則と関税譲歩を管理し、貿易に対する非関税障壁を監視し、排除しようとするエリアと手段のためのデジタル支払いシステムの立ち上げも見られた。”
大きな可能性を秘める、AfCFTAの今後の動向に目が離せません。
アフリカ進出をご検討中の企業様はぜひANZAまでお問い合わせください。
アフリカ進出計画のご相談はもちろん、アフリカ駐在員によるクイック調査、アフリカ現地企業ニーズ情報の提供、現地視察のプランニング、現地テスト販売など幅広いサービスをご用意しております。メールマガジンも配信しておりますので、ご希望の方はこちらよりご登録ください。
ANZAは日本企業のアフリカ進出を支援するAAICが運営しております。
AAICのこれまでのアフリカでのプロジェクトはこちらからご覧いただけます。
<参考>
World Economic Forum “How Africa’s free-trade zone will provide an economic boom”
ぜひANZAまでお問い合わせください。
AAICが運営しております。
AAICのこれまでのアフリカでのプロジェクトは
こちらからご覧いただけます。
