求められる、アフリカにおける食習慣の変化

2019.10.09
ANZA編集部
求められる、アフリカにおける食習慣の変化

日本ほど食のバリュエーションが多様な国はないはずです。アフリカでは、多くの国で毎日のように穀物の粉を湯で練り上げたアフリカの伝統的な料理を食べます。地域によって呼び名が異なり、形や弾力などの違いもあります。アフリカに行かれた方はご存知だと思いますが、食のバリュエーションは、決して多くはありません。今回は、BBC “Why Africa should ‘stop eating one of its favorite foods’”の記事を見てみたいと思います。

トウモロコシがメインの食事は南部および東アフリカの大部分で一般的です。ある研究によると、サブサハラ以南のアフリカ諸国が、世界で生産されたトウモロコシのうち21%を消費しているとも言われています。

ザンビアのイノング・ウィナ副大統領は国民の食習慣の根本的な変化を呼びかけ、人々はより栄養価の高い食事をするために、主食として、トウモロコシを食べる習慣をやめるべきだと言います。これは、イタリア人に対して、パスタを食べるのをやめるように提案するようです。

国連の運営する情報ポータル(ReliefWeb)によると、少ない降雨や異常気象が原因で危機が起こり、170万人のザンビア人(人口の18%)が深刻な食糧不安に陥り、5歳未満の子どもの約40%の発育の妨げとなっています。この問題に取り組むために、ウィナさんは、人々がより多くのキビ、モロコシ、キャッサバ、サツマイモを食べることによって、根本の食習慣を変える必要があると主張します。

「より栄養価の高い食品への切り替えは、国内の発育阻害や栄養失調に対処するための低コストで効果的な方法の1つです」とウィナ氏は言いました。

しかし、彼女の食生活を変える挑戦はあまりにも壮大です。現状、多くの人がトウモロコシの食事を1日2〜3回食べます。ザンビアではnshima、マラウィではnsima、ジンバブエではsadza、南アフリカやレソトではpapaまたはpap、ケニアではugaliとして知られています。

食生活を変更するということは、地元のレストランのメニュー変更にも繋がり、新しい料理への抵抗を示すレストラン経営者も少なくありません。

ウィナ副大統領の提案は、ザンビア国立農民組合(ZNFU)の支持も既に獲得しています。
「気候変動により、私たちはさまざまな食物の選択肢を検討し始めなければなりません。これまで、私たちはトウモロコシに依存しすぎていましたが、ソルガム、米、キビなどの作物の栽培も開始しています」
「私たちはめったに他の食べ物を食べません。私たちの料理の味は変わるべきだと思います。これは副大統領による正しい呼びかけです」

一部の栄養学者は、スーパーマーケットで販売されているトウモロコシの食品は高度に加工されているため、肌、髪、脳の健康に不可欠な栄養素を欠いていると言います。加工前の状態で、トウモロコシを食べると、ビタミンA、ビタミンC、鉄、繊維などの栄養素が含まれていますが、加工しすぎるとすべての良さが失われます。

トウモロコシを使った食事は、特に貧しい家庭で一般的です。南アフリカの栄養士タンドルワッケ・ムソミによると、トウモロコシは政府の助成金の対象になるそうです。「他の穀物の導入を検討し、それらを家庭で主食にする場合、権力者による同様の介入が必要になるだろう」と彼女は付け加えました。

ソルガムとパールミレットに関しては、気候変動とその食料安全保障への影響に焦点を合わせているとき、これらの穀物は丈夫であることが知られており、厳しい気候に耐えることができると期待できます。人々は自分の家でもトウモロコシを育てる方法について教育を受けてきましたが、今後、他の穀物を育てる方法について教育を受ける必要があるとい意見もあります。

食習慣を変えることは非常に難しいことです。しかし、ウィナ氏の働きかけにより今後どのように変化していくのでしょうか。

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<参照>
https://www.bbc.com/news/world-africa-49714037

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