【アフリカファッションに注目!】アフリカファッションの歴史

2023.06.02
ANZA編集部
【アフリカファッションに注目!】アフリカファッションの歴史

これまで、アフリカファッションが欧米や日本でどのように注目されているかをお伝えしてきました。

(これまでの記事)

 

今回は、アフリカファッションの歴史をご紹介します。現在を紐解きながら、海外諸国、特に欧米から影響を受けつつ、いかにアフリカ独自のファッションを発展させてきたのかに注目したいと思います。

大航海時代より以前:アフリカ独自のファッションが発展

大航海時代以前、アフリカ大陸で生活する多くの人々は、自然界のあらゆる資源を材料とし、衣服やアクセサリーを製作していました。

男性のふんどしや女性が腰や胸に巻く布、ベルトなどの衣服は、動物の骨や皮、毛皮から作られました。染織技術が浸透した後には、樹皮、葉、花、岩、粘土などから得られる天然染料を使用して、衣服に色や模様が追加されるようになりました。

また、衣服を纏うだけでなく、身体の露出した部分を、貝殻・卵の殻・羽毛で作られたアクセサリーや、顔料で装飾することも、当時の人々にとって大切なファッションでした。

アフリカ大陸の温暖な気候を考慮すると、この時代の衣服やアクセサリーは、寒さや雨から身を守るということよりも、ファッションを通じて年齢や民族、社会的地位を示すことに特に重点が置かれていたようです。

このように、アフリカの人々は古来より身近な素材を活用し独自にファッションを楽しんでいたことがわかります。人々にとってファッションは、生活を鮮やかに彩り、より豊かにするものだったのではないでしょうか。

大航海時代:交易が拡大、新たな素材の活用

15世紀半ばから大航海時代に入ると、アフリカ大陸は欧米・インド間の交易の中継地点となります。交易が拡大するとアフリカ大陸に新しいものが入ってくるようになり、当時のアフリカファッションにも大きな影響を与えました。

その一例がビーズです。

欧米のビーズがアフリカに大量に持ち込まれたことで、装飾に加え、カチューシャ・エプロン・マント等、ビーズを材料とした衣服が製作されるようになりました。そして、新たな「伝統装飾」が発展していきました。

中でも、複雑なビーズワークを使った伝統衣装で有名なのが、南アフリカのンデベレ族です。小さな女の子はビーズのエプロンを着用し、女性はカラフルで洒落たデザインのビーズのアクセサリーを身に着けます。既婚女性は、多色なビーズで装飾されたマントで上半身を覆います。この伝統衣装も、アフリカへビーズが持ち込まれたことで生まれました。

また、同時期には繊維産業の技術が持ち込まれたことで技術が向上し、現代でも馴染みのあるコットンやシルク、ウールの生地も使用されるようになりました。

【写真1:アフリカ各国では、市場やお土産店で様々なビーズの装飾品がみられる】

植民地時代:アフリカファッションの要、アフリカン・プリントの登場

19世紀に入ると、アフリカにワックス・プリントの技術が持ち込まれます。ワックス・プリントとは、伝統的なろうけつ染めの技法(溶かしたろうで布に模様を描いて染める染織方法)を使ったプリントのことです。

アフリカファッションと聞くと、誰もが一度は思い浮かべるのが、色鮮やかで多様なデザインの「アフリカン・プリント」ではないでしょうか。この「アフリカン・プリント」の代表的な技法のひとつがワックス・プリントになります。

日本にはないその斬新な色使いや大胆なデザインから、強烈なインパクトを受けると思います。

実はこの「アフリカン・プリント」も海外からの技術との融合によって大きく発展したファッションなのです。

【写真2:色鮮やかなアフリカン・プリントの生地の数々】

19世紀、当時東南アジアのインドネシアを植民地支配していたオランダは、インドネシアの工芸品・更紗の大量生産を狙っていました。そしてインドネシアの伝統的なろうけつ染めの技法を機械化することで産業のさらなる発展を目指しました。しかし、思うように技術転化が進みませんでした。

代わって、オランダはこのろうけつ染めの技法をアフリカ大陸に伝えたことで、次第にアフリカでワックス・プリント技術が広まっていきました。

そして20世紀以降、ヨーロッパで製作したろうけつ染めの生地を西アフリカに輸出するようになると、この生地が瞬く間にアフリカ市場に普及しました。そしてアフリカでは、輸入するだけではなく独自の色彩やデザインパターンを次々に生み出し、ワックス・プリント技術で生産したことで、アフリカン・プリントとして発展していきました。

こうして、鮮やかな色と模様が特徴的なアフリカン・プリントは、アフリカの人々が纏う生地として、今や世界中に知られるようになっていったのです。

アフリカン・プリントには、「ワックス・プリント」以外にも、デジタルプリントの手法により生産されている「ファンシー・ファブリック」という手法があり、アフリカ諸国の独立以降に普及しました。ワックス・プリントと比較すると安価で、1~2色のシンプルな色合いと時代の流行を反映したデザインが特徴です。

もし実際にアフリカン・プリントに触れる機会があれば、ぜひこうした歴史を思い浮かべながら色々見比べて頂くと、面白いと思います。

参照:

・アフリカン・プリント・ヒストリー(前編)誕生の軌跡 – リッチーエブリデイ公式オンラインストア (riccieveryday.com)
・色彩豊かなンデべレ文化 | 観光スポット | 南アフリカ観光局 (south-africa)
・11 Traditional African Clothing That Identifies African Tribes At A Glance
Anthropology in Fashion: Cultural Clothing in Western Africarica.jp)

 

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