アフリカ映画祭から見えるアフリカ人としてのアイデンティティ

2019/10/11

ハリウッド、ボリウッドのように、ナイジェリアで制作される映画は、ノリウッド(Nollywood)と呼ばれ、映画の年間製作本数は2500本を超え、世界一となりました。ノリウッドがアフリカの映画産業をリードし、盛り上げている印象を受けます。しかしながら、アフリカの映画産業について語られることは多くはありません。今回は、先日、ドイツのケルンで開催されたアフリカ映画祭の記事を参考にアフリカ映画を見てみたいと思います。

ドイツで開催された今回の映画祭で、アゼディーヌ・カスリ監督は、ヨーロッパで生まれ育った多くのアフリカ人の人生について、短編特集「Timoura(ティモウラ)」にまとめ、上映しました。Timouraは、フランスでアルジェリア人の両親の元に生まれ育ち、自動車整備士として働くブラヒムの物語です。警察が、ブラヒムが不法でフランスに住んでいると告げます。この出来事をきっかけに、彼はアルジェリア人としてのアイデンティティを探すようになります。

このように、今年の映画祭では、移民、市民権、アイデンティティ、原理主義のテーマの映画が、多かったそうです。背景として、今年6月に、欧州議会の73人の極右議員が、移民を抑制し、イスラム教の拡大を阻止することを目的として、ブロックを形成したように、反移民の流れが影響していることが挙げれます。フランスの法律では、フランスで生まれた外国人の親の子供は、成人に達したときにフランス国籍を要求する必要があり、自動的に市民権は付与されません。そのため、アフリカ人の中には、帰国を選択する人も少なくありません。国際移住機関(IOM)によると、2016年には、約92,000人が自発的にアフリカに戻る決断をしたと発表しています。

ガーナのアフリカ映画協会のプログラムディレクターであるジャクリーン・サイアは、プロジェクトマネージャーとしてゲーテインスティテュートのアフリカ映画プラットフォームをまとめています。 国際映画祭について、アフリカ映画は必ずしもアフリカ人だけが見る必要はなく、より多くの人に観てもらい、知ってもらう機会になると話しました。公開された映画は、アフリカでの映画の多様性の高まりも反映しています。 「アフリカ映画に共通している唯一のものは、アフリカ人としてのアイデンティティを含んでいることです」とサイアは言います。

アフリカを舞台にした数多くの映画は、海外に住むアフリカ人によって制作されています。その理由として、例えば、エチオピアで映画を製作しようとした場合、REDカメラは高級品とみなし多額の税金を課すそうで、映画製作に必要な機材を国内で持つことができないことが挙げられます。また、エチオピアに拠点を置くプロデューサーは、社会性やメッセージ性の強い短編映画や長編映画ではなく、即時の商業的価値を持つ映画にのみ関心を持つ傾向にあると言います。しかしながら、多くのアフリカ人のプロデューサーらは、放映時のマーケティングを意識して映画製作に取り組めるとポジティブです。

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<参照>
Africa Film Festival 2019: Migration and citizenship take center stage
https://www.dw.com/en/africa-film-festival-2019-migration-and-citizenship-take-center-stage/a-50641364