アフリカのユニコーン、Jumiaの2019年ニュース ~ニューヨーク証券取引所上場前、上場、その後~

2019/12/11

アフリカのユニコーン企業といえば、『Jumia Technologies(ジュミア、以下JUMIA)』が挙げられます。アフリカのAmazonとも呼ばれる同社は、ナイジェリア、ラゴス発のeコマースサービスを展開するスタートアップです。2012年に、マッキンゼーの同僚であるフランス人Sacha Poignonnec氏とJeremy Hodara氏により創業されました。今年は、ニューヨーク証券取引所に上場するなど、激動の1年間だったJumiaに関するニュースで同社を振り返りたいと思います。

【2019年1月】健康増進プログラムの提供を開始

ケニアの保険会社Jubilee Insuranceは、旅行サイトJumia Travelや現地フィットネスセンターなどと提携し、健康増進プログラムをスタートしました。パートナーには、旅行代理店のBonfire Adventures、Leopard Beach Hotel、The Forest、Text Book Centre、健康用品店Healthy U、モバイルヘルスケアアプリケーションSimway、食料品小売チェーンZuchiniが含まれます。

Jubilee partners with Jumia, Ole Sereni in wellness plan(2019年1月28日)

【2019年3月】上場に向けて登録申請書を提出

Jumiaがニューヨーク証券取引所への上場に向けて登録申請書を提出しました。同社は、アフリカで最初のハイテクユニコーン企業で、10億ドル以上の価値があるベンチャー企業と言われてきました。また、アフリカの複数の地域で、サービスを展開する唯一の企業です。昨年12月時点では、400万人のアクティブな顧客を抱えていました。

Africa’s largest e-commerce company is set to list on the New York Stock Exchange(2019年3月13日)

【2019年4月】ニューヨーク証券取引所に上場

上場目前に、Jumiaは、米マスターカードから5,000万ユーロ(5600万米ドル)を投資されました。その後、同社は、ニューヨーク証券取引所に上場し、初終値は25.46ドルと売出価格を75%上回り、時価総額は19億ドルでした。4月時点で、アフリカ14カ国で事業展開をしていました。

Mastercard to Join Investors in Africa Online Retailer Jumia(2019年4月1日)

Jumia Surges on U.S. Debut as Africa’s Amazon Goes Public(2019年4月13日)

【2019年5月】提携により、Jumiaサイトからピザを注文・配達するサービス開始

Jumiaが、ピザハットと提携し、Jumiaサイトからピザを注文しJumiaが配達できるようになりました。出来立てのピザをいかに短時間でお客様に配達できるか期待されています。

Jumia Partners Pizza Hut To Boost Operational Performance (2019年5月4日)

【2019年6月】Jumiaグループに動きあり

モロッコの不動産ポータルサイトMubawabがeコマースJumiaの不動産サイトJumia Houseのモロッコ、チュニジア、アルジェリア事業を買収しました。Mubawabは、ドバイに本拠を置く新興市場不動産グループが買収したモロッコの大手不動産ポータルサイトを運営しています。

また、後半には、フードデリバリーサービスを行うJumia Foodsがナイジェリアの生鮮食品販売So Freshと提携しました。同社は、ナイジェリアで最大のオンデマンドプラットフォームになるためフードの分野にも力を入れています。

Dubai-based EMPG-owned Moroccan property portal Mubawab acquires Jumia House in Morocco, Tunisia & Algeria(2019年6月18日)

Jumia partners Nigeria’s So Fresh to promote consumption of healthy foods(2019年6月28日)

【2019年7月】ガソリンスタンドとの提携で、商品引取と支払いが可能に

Jumiaは、アフリカで2,100カ所を超えるガソリンスタンドを経営するVivo Energyと提携しました。この提携により、Jumiaで商品注文後、ガソリンスタンドの商品引取と支払いが可能になりました。今回のVivoとのパートナーシップにより、同社は、遠隔地を含め、より多くの利用者に対して、便利に製品を提供できるようになりました。

Africa’s Amazon Looks to Solve Addresses Problem With Vivo Tieup(2019年7月29日)

【2019年9月】配送料定額サービスJumia Primeを開始

Jumiaは、Jumia Foodにおいてアフリカ初の配送料定額サービスJumia Primeを開始しました。Jumia Primeでは、1か月、3か月、6か月の期間のサブスクリプション利用ができ、それぞれ₦2,999(¥898)、₦3,999(¥1197)、₦5,999(¥1795)の価格設定になっています。(2019年12月現在、ナイジェリア・ラゴスの場合)

Jumia Food rolls out subscription service(2019年9月30日)

【2019年11月】カメルーン、タンザニアでeコマース事業を閉鎖

11月当時、Jumiaは、アフリカ14ヶ国でサービスを提供しており、第3四半期の収益成長率は19%(4,000万ユーロ)でした。アクティブ顧客ベースでは、前年同期の350万から550万に増加し、総商品価値(GMV:期間中に販売された商品の総量)は、39%増加して2億7,500万ユーロとなりました。また、オンライン小売業者は、2018年第3四半期の360万件から2019年第3四半期では、700万件へと、ほぼ倍増しました。

JumiaPayといったデジタルファイナンスサービスも成長しており、総支払額は2018年第3四半期の1,640万ユーロから2019年第3四半期は、3,200万ユーロに95%増加しました。以上のように、同社はデジタル決済サービスからより多くの収益を生み出しています。しかし、会社の損失に関して、2019年第3四半期の損失は、前年の4,060万ユーロから、5,460万ユーロとなりました。

(参照:https://techcrunch.com/2019/11/12/pan-african-e-tailer-jumia-grows-3q-revenue-e-payments-and-losses/

そのような状況下において、同社は、カメルーン、タンザニアでeコマース事業を閉鎖しました。

カメルーンに関しては、同国は中央アフリカで最大の経済の1つですが、2016年以降、英語圏地域(北西州や南西州)で独立分離派と治安部隊の衝突が継続していて、治安・人道状況の悪化等を撤退の理由として挙げています。

タンザニアに関しては、利益を確保するためにサービス展開国の選択と集中で、タンザニアでは事業を閉鎖する決断をしたと発表しました。

Pan-African e-tailer Jumia grows 3Q revenue, e-payments and losses(2019年11月13日)

Africa retailer Jumia suspends e-commerce in Cameroon(2019年11月19日)

Jumia shuts Tanzania e-commerce business in portfolio review(2019年11月28日)

Jumiaの今後

現状、Eコマース事業の収益化に苦戦しており、株価は77%の下落となっています。現地の経済成長も、他の市場に比べて緩やかであり、現状のビジネスモデルをアマゾンやアリババに例えるのは少々無理がある、といった声も少なくないです。

また、Jumiaの赤字の理由として、「代金引換」を利用していることが挙げられます。₦2,000(¥600)以下の商品の購入、もしくは、₦150,000(¥45,000)以上の商品購入の以外の場合は、現在、代金交換が利用できます。代金授受は、第三者の配送代理店が任されていて、2018年初め時点で80万ドルの費用が回収されていないとの情報もあります。しかしながら、同社の強みである400万人以上のアクティブユーザー、独自の決済サービスJumiaPayを今後どのように生かしていくか注目です。

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JUMIA

Jumia’s IPO filing shows just how costly it is to crack e-commerce across Africa(2019年3月14日)