Waveがアフリカユニコーンの仲間入り
今月、米国とセネガルに拠点を置くWave(ウェーヴ)が2億ドルの資金調達に成功しました。
それに伴い企業価値が17億ドルに達し、フランス語圏アフリカに拠点を置く企業としては初のユニコーン企業の仲間入りを果たしました。
今回の資金調達先としてはSequoia HeritageやFounders Fund、Stripe、そしてRibbit Capitalといった名前が並んでいます。これまでもY CombinatorやPartechのように、有名なベンチャーキャピタルから投資を受けてきました。
MPesaや携帯キャリアとは異なるモバイルマネー
今回ユニコーンの仲間入りを果たしたWaveはモバイルマネーサービスを中心に行っています。モバイルマネーといえば、MPesaやOrangeといった携帯キャリアが行っているものを想像しますが、同社のCEOのDrew Durbin氏は
「Waveは既存のものとは異なる」と述べています。
大きな違いは2つあるとしており、1つ目が徹底的な安さ(radically affordable)です。
Waveの利用者は無料で入金、引き出しが可能であり、24時間365日送金が手数料1%で行うことができます。
Durbin氏によると、これは携帯キャリアが提供するモバイルマネーと比較して70%安く利用することができるそうです。
さらに既存のモバイルマネーは送金で問題が生じると、返金に数日間かかるところ、Waveのモバイルマネーでは即座に返金が行われるのも大きな違いです。
また2つ目に述べられていた違いは、アプリ(app-based)によるサービスの提供です。既存のモバイルマネーサービスはこれまで、フィーチャーフォン利用者でも簡単に利用できるUSSDを用いていました。しかし今回アプリによるサービスに力を入れることで、スマートフォン利用者はより簡単にモバイルマネーを利用することができます。
さらに独自のQRカードを発行し、フィーチャーフォン利用者もWaveのモバイルマネーサービスを利用できるようにしています。
関連記事:「ナイジェリアのフィンテック、Flutterwaveが記録的な資金調達額でユニコーン企業入りを果たす」
人口1,600万人のセネガルにて500万人のユーザーを獲得
Waveは2018年にセネガルでサービスを開始しましたが、わずか2年でセネガルで最も利用者の多いモバイルマネーとなりました。その数は400〜500万人と言われており、セネガルの大人の2人に1人が利用しているようです。昨年からは同じ西アフリカのコートジボワールへの展開に挑戦しています。
ではなぜ、わずか2年でWaveはセネガルでトップのモバイルプロバイダーになれたのでしょうか?
その理由には、経験豊富な2人の共同創設者の存在があります。
Durbin氏と、もう1人の共同創設者Lincoln Quick氏はWaveを立ち上げる前にSendwaveを立ち上げていました。
Sendwaveは欧米地域からいくつかのアジア、アフリカに向けてデジタル送金サービスを提供しています。この経験こそが、Waveのサービスを支え、若くしてセネガルで最も利用されるモバイルマネーになった要因ではないでしょうか。
モバイルマネーの先駆者、Mpesaが東アフリカでサービスを開始して既に14年経ちましたが、アフリカ全体を見渡すとまだまだモバイルマネーの新しい企業が台頭しています。
今年、アフリカでユニコーンになったスタートアップ3社を見ても全てがフィンテック企業です。もう暫くは、フィンテックのスタートアップの勢いが続いていくのではないでしょうか。
関連記事:「セネガル|ビジネス基礎情報|アフリカ国別」
アフリカ進出をご検討中の企業様はぜひANZAまでお問い合わせください。
アフリカ進出計画のご相談はもちろん、アフリカ駐在員によるクイック調査、アフリカ現地企業ニーズ情報の提供、現地視察のプランニング、現地テスト販売など幅広いサービスをご用意しております。
ANZAは日本企業のアフリカ進出を支援するAAICが運営しております。AAICのこれまでのアフリカでのプロジェクトはこちらからご覧いただけます。
《参照》
2021年9月29日閲覧
「Sequoia Heritage, Stripe and others invest $200M in African fintech Wave at $1.7B valuation」
ぜひANZAまでお問い合わせください。
AAICが運営しております。
AAICのこれまでのアフリカでのプロジェクトは
こちらからご覧いただけます。