2021年3社目のユニコーンはまたしてもフィンテック、Wave社

2021.09.29
ANZA編集部
2021年3社目のユニコーンはまたしてもフィンテック、Wave社

Waveがアフリカユニコーンの仲間入り


今月、米国とセネガルに拠点を置くWave(ウェーヴ)が2億ドルの資金調達に成功しました。

それに伴い企業価値が17億ドルに達し、フランス語圏アフリカに拠点を置く企業としては初のユニコーン企業の仲間入りを果たしました。

今回の資金調達先としてはSequoia HeritageやFounders Fund、Stripe、そしてRibbit Capitalといった名前が並んでいます。これまでもY CombinatorやPartechのように、有名なベンチャーキャピタルから投資を受けてきました。

MPesaや携帯キャリアとは異なるモバイルマネー


今回ユニコーンの仲間入りを果たしたWaveはモバイルマネーサービスを中心に行っています。モバイルマネーといえば、MPesaやOrangeといった携帯キャリアが行っているものを想像しますが、同社のCEOのDrew Durbin氏は

「Waveは既存のものとは異なる」と述べています。

大きな違いは2つあるとしており、1つ目が徹底的な安さ(radically affordable)です。
Waveの利用者は無料で入金、引き出しが可能であり、24時間365日送金が手数料1%で行うことができます。

Durbin氏によると、これは携帯キャリアが提供するモバイルマネーと比較して70%安く利用することができるそうです。

さらに既存のモバイルマネーは送金で問題が生じると、返金に数日間かかるところ、Waveのモバイルマネーでは即座に返金が行われるのも大きな違いです。

また2つ目に述べられていた違いは、アプリ(app-based)によるサービスの提供です。既存のモバイルマネーサービスはこれまで、フィーチャーフォン利用者でも簡単に利用できるUSSDを用いていました。しかし今回アプリによるサービスに力を入れることで、スマートフォン利用者はより簡単にモバイルマネーを利用することができます。

さらに独自のQRカードを発行し、フィーチャーフォン利用者もWaveのモバイルマネーサービスを利用できるようにしています。


関連記事:「ナイジェリアのフィンテック、Flutterwaveが記録的な資金調達額でユニコーン企業入りを果たす

 

人口1,600万人のセネガルにて500万人のユーザーを獲得


Waveは2018年にセネガルでサービスを開始しましたが、わずか2年でセネガルで最も利用者の多いモバイルマネーとなりました。その数は400〜500万人と言われており、セネガルの大人の2人に1人が利用しているようです。昨年からは同じ西アフリカのコートジボワールへの展開に挑戦しています。

ではなぜ、わずか2年でWaveはセネガルでトップのモバイルプロバイダーになれたのでしょうか?

その理由には、経験豊富な2人の共同創設者の存在があります。

Durbin氏と、もう1人の共同創設者Lincoln Quick氏はWaveを立ち上げる前にSendwaveを立ち上げていました。

Sendwaveは欧米地域からいくつかのアジア、アフリカに向けてデジタル送金サービスを提供しています。この経験こそが、Waveのサービスを支え、若くしてセネガルで最も利用されるモバイルマネーになった要因ではないでしょうか。

モバイルマネーの先駆者、Mpesaが東アフリカでサービスを開始して既に14年経ちましたが、アフリカ全体を見渡すとまだまだモバイルマネーの新しい企業が台頭しています。

今年、アフリカでユニコーンになったスタートアップ3社を見ても全てがフィンテック企業です。もう暫くは、フィンテックのスタートアップの勢いが続いていくのではないでしょうか。


関連記事:「セネガル|ビジネス基礎情報|アフリカ国別


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《参照》
2021年9月29日閲覧
Sequoia Heritage, Stripe and others invest $200M in African fintech Wave at $1.7B valuation

 

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