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今回は、タンザニアでエアコンのPay as you goモデルでの事業を展開している、ダイキン工業株式会社を紹介します。
ダイキン工業について
ダイキン工業株式会社（以下、「ダイキン工業」）は1924年に創業、1934年に設立した空調メーカーです。言わずと知れた空調事業において世界トップの売上高を誇る日本企業で、同社の売上のうち空調事業は9割を占める主要事業です。
またフッ素化学事業でも世界2の売上高をあげているほか、油機、特機、電子機器などを空調事業から派生させています。
世界でも存在感を見せるダイキン工業は、160カ国以上に展開しており、海外売上比率は全体の77%にも上ります。そんなダイキン工業ですが、アフリカに本格的に進出したのはつい最近の出来事です。
WASSHAとの連携でエアコン事業をPay as you go モデルで展開
2019年、ダイキン工業はWASSHA（ワッシャ）株式会社（以下、「WASSHA」）と、タンザニアにおける新たなビジネスモデルの実証実験を開始しました。
この新たなビジネスモデルとは、ダイキン工業のエアコンをタンザニアの小規模店舗や一般家庭にモバイルマネーの決済を通じて使用量に応じて課金するpay as you goモデルで展開し、これまでリーチできなかった人々へ広げていくというものです。
この実証実験のパートナーとなったWASSHAはLEDランタンをスマートフォンと連携させ、1日毎に使用料を払うとランタンを利用できる仕組みを既にタンザニアや他のアフリカで事業化させていました。
ダイキン工業も同様に、モバイルマネー経由で支払いをすると支払った1日の間、スマートフォンをエアコンのリモコンとして使用できるようにし、タンザニアでのエアコン事業に挑戦しました。また初期費用も取り付け工事費用のみの徴収で本体代を無料としており、サービスへのアクセスを容易にしています。
実証実験を開始した翌年の2020年にはダイキン工業とWASSHAで、エアコンのサブスクリプション事業を行う合弁会社(JV)「Baridi Baridi（バリディバリディ）株式会社」を設立し、事業を本格化させています。
さらに今年4月には、鳥取大学と「乾燥地科学研究」「医工農連携によるヘルスケア研究」「乾燥地研究のエキスパート人材の育成」などのプログラムの推進を目的とした包括連携協定を締結しました。
この協定の中では、アフリカ・アジアの乾燥地帯での最適な住環境の追求、空調システムの提案を目指す試みもあり、アフリカでの更なる事業拡大に向けて積極的な姿勢を見せています。
現在、タンザニアは人口の約1%がエアコンを利用していると言われており、市場シェアは中国製や韓国製の製品が占めているようです。しかしそれらのエアコンでも電気代が高かったり、設置はされていても故障後の修理がされないことで稼働していないものも多くあるようです。
ダイキン工業のアフリカ進出は、エアコンの普及率を上げるだけでなく、同社の耐久性、効率性に優れたエアコンを利用してもらうことで、環境にとっても意義深い事業となるのではないでしょうか。
もはやアフリカで当たり前にもなりつつある、各サービスのサブスクリプション方式のビジネスモデル。「必要なものを必要な時だけ、お金を払い使う(pay as you go)」、このビジネスモデルのトレンドを理解することは、アフリカ進出の一歩となるのではないでしょうか。
アフリカ展開のポイントまとめ
１、モバイルマネーでのPay as you goモデル
２、ノウハウを持つ企業との連携
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《企業情報》
■企業名：ダイキン工業株式会社
■上場/非上場：上場
■従業員数：7,732人(2021年)
■売上：2兆4,934億円(2020年)
■営業利益：2,386億円(2020年)
■時価総額：約8兆6307億円（2021年9月7日現在）
■企業URL：https://www.daikin.co.jp/
《参考》
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