【日‌本‌企‌業‌進‌出‌事‌例‌|‌タ‌ン‌ザ‌ニ‌ア】‌ア‌フ‌リ‌カ‌の‌未‌電‌化‌地‌域‌の‌人々‌へ‌電‌力‌サー‌ビ‌ス‌を‌提‌供‌す‌る‌ 日‌本‌発‌の‌ス‌ター‌ト‌アッ‌プ、‌WASSHA‌

2020/07/15


昨年8月に開催されたTICADVII「官民ビジネス対話セッション」における安倍晋三日本国総理大臣のスピーチの冒頭で、あるスタートアップの取り組みが紹介されました。

秋田智司氏率いるWASSHA株式会社です。

アフリカで様々な取り組みを行う同社について、今回は見ていきたいと思います。
アフリカにおけるオフグリッド電力事業についてはこちら

WASSHA株式会社について


WASSHA株式会社は、タンザニアに拠点を持つ日本発のスタートアップです。ビジネスを通じて社会課題を解決し人々をエンパワーする「Power to the people」をミッションに掲げ、2013年の創業以来、アフリカで事業を展開しています。

2015年にタンザニアの未電化地域の人々に電力を提供する事業を開始し、現在では、200名強のローカルメンバー(2020年5月時点)とともに、eコマース事業や人材事業など新たなビジネスの構築にも取り組んでいます。

サービス概要


同社のメイン事業は、タンザニアの未電化地域の人々向けにIoTテクノロジーを活用した電力サービスの提供です。

サブサハラアフリカでは、約6億人が未電化地域で生活を送っていると言われています。未電化地域で生活する人の多くは、火事や呼吸器疾患などのリスクを抱えながら、灯油ランプなどを使用して生活しています。

同社は、キオスクと呼ばれる小売店を介し、未電化地域で暮らす人々、特に所得の安定しない一般消費者に自社開発した太陽光充電式のLEDランタンを貸し出しています。レンタルに特化して開発・設計されたLEDランタンは、Androidアプリによって制御されており、現地で普及する電子マネーの送金サービス・モバイルマネーで利用料金を前払いした場合にのみ1泊分だけ利用できる仕組みが構築されています。

2019年10月末時点で、1日あたりのレンタル回数が3万回を超えるサービスに成長し、提携するキオスクは、2019年12月時点で約1,600店舗にまで増加しました。

新規サービス概要


同社は、消費者の購買行動の起点となるキオスクは、電力に限らず、物流、教育、医療等の社会課題解決の起点、ビジネスの起点であるという考えのもと、新規サービスにも力を入れています。

同社が契約をしているキオスクにおける商品の仕入れについて、アプリ経由の注文、モバイルマネーでの決済に応じ、WASSHAのネットワークを通じて仕入れ、注文の翌日に配送を実施するという物流サービスについて実証を開始しました。

物流機能を高度化、集約することにより、安価で高効率な物流機能を提供しています。

将来的には当プラットフォームをWASSHA以外の企業へオープン化することを目指し、日本をはじめとするグローバルメーカーあるいはEコマース企業のアフリカ進出を容易にし、アフリカの人々へこれまではアクセスすることができなかった商品へのアクセスを提供することを目指しています。

WASSHA以外にも未電化地域向けに電力機器(ソーラーパネル等)の販売を行っている企業は複数存在しますが、WASSHAのように現地でのディストリビューションネットワークを構築している企業はありません。そのため、このネットワークが同社の強みといえるのではないでしょうか。

資金調達を通じて、アフリカ最大の小売店プラットフォームの構築を目指す


同社は、2019年11月7日にシリーズBラウンドとなる総額10.1億円の資金調達を完了しました。

2016年にはシリーズAラウンドで、東京大学エッジキャピタル(UTEC)、日本政策投資銀行、イノベーティブベンチャーファンド(NECグループとSMBCグループによる共同運用)、電源開発株式会社から総額8億円を調達しました。

シリーズAのエクステンションラウンドでは、JICA(国際協力機構)から3億円を調達しており、今回の調達を含めた2014年2月からの累計調達額は約24億円にのぼります。

今回の資金調達には既存の東京大学エッジキャピタル運営ファンド、丸紅株式会社に加え、新規でダイキン工業株式会社、ヤマハ発動機株式会社、Mistletoe Japan合同会社、みずほキャピタル株式会社運営ファンドが参画し、計6社を引受先とする第三者割当増資を実施しました。

調達資金は、自社主導の新規事業への投資や、既存事業のアフリカ域内での他国展開の費用に充当、IPOを視野に入れた人材獲得、組織強化への費用として使用される予定です。

日本企業と積極的に協業を進める


同社は、キオスクのプラットフォームを活用した新規事業にも力を入れています。

関西電力株式会社

2019年8月、未電化地域向け電力サービスに関する協業を開始しました。

最大でキオスク7,500店舗分の機材を関西電力がサポートし、WASSHAが機材をキオスクへ導入、エンドユーザーが利用した料金の一部を関西電力へ分配するというレベニューシェアモデル。将来的にLEDランタンのレンタルに関するビッグデータ解析、レンタルではなく購入が適したユーザーに対する電力機器の販売、個人向けの電力レンタルではなく地域としての電化が適した地域に向けたミニグリッドの展開等、エンドユーザーの経済面での発展に合わせた各種電力サービスについても共同で実施することを検討中です。

ダイキン工業株式会社

2019年11月、エアコンサブスクリプションサービスに関する協業を開始しました。

目的は、EaaS事業を通じて構築したプラットフォーム、モバイルマネーを用いた決済および危機制御システム、人材を活用し、ダイキン工業の高効率エアコンを小規模店舗や一般家庭にサブスクリプション方式で導入し、事業性を検証することでした。

ビジネスモデルの事業性とともに、社会課題解決に貢献できる可能性が明らかになったことから、事業化を加速するために今回、合弁会社を設立することになったのです。

そして2020年6月16日、ダイキン工業とエアコンのサブスクリプション事業を行う新会社「Baridi Baridi株式会社(バリディバリディ)」を設立したことが発表されました。

(以下、WASSHAホームページより抜粋)
ダイキン工業が持つ、耐久性に優れ、高効率で環境負荷の低いエアコンとサービス網の構築力、WASSHAが持つ、モバイルマネーを経由した料金回収技術と東アフリカでビジネスを展開するノウハウを活用し、ユーザーが日・週・月ごとに使用料をスマートフォンで支払うことで、エアコンを使用したいときだけ使用できるサブスクリプションを事業化します。これにより、従来エアコンを購入できなかった所得層の人々にもエアコンが普及する可能性があります。まずはタンザニア連合共和国で事業を展開し、将来的にはアフリカだけでなく他の空調未成熟市場への展開をめざします。

ヤマハ発動機株式会社

2019年12月、物流サービスに関する協業を開始しました。

WASSHAが展開する電力事業の機材輸送ならびに物流事業におけるラストワンマイル輸送に関し、ヤマハ発動機の高効率、耐久性の高い二輪車の活用について、その事業性を検証。2020年度中の実証の完了、および本格事業の開始を目指しています。

今勢いにのるWASSHAの活躍に、今後も目が離せません。

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《企業情報》
WASSHA(ワッシャ)株式会社
■設立年:2013年
■本社所在地:東京 
■資本金:1980万米ドル 
■企業URL:https://wassha.com/
■事業概要:IoTテクノロジーを活用した未電化地域の人々への電力サービスの提供。現地ネットワークを活用した新規事業の開発。

《参照》
2020年7月1日閲覧
WASSHA
関西電力株式会社との業務提携について
アフリカの無電化地域に電力を届ける「WASSHA」、JICA(国際協力機構)から3億円を資金調達