2021年現在世界の約6人に1人が、そして30年後の2050年には世界の4人に1人がアフリカ人になると予測されています。前回、その劇的な人口増加のワケについて解説しました。(記事はこちらをご覧ください)
それに引き続き今回は、人口増加に伴うアフリカ社会へのインパクトについて、マイナス面・プラス面双方から見ていこうと思います。
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都市部への人口流入
図1:アフリカ都市部の人口推移
UN Habitat – Regional Office for Africaを元にAAIC作成
まず人口増加による大きな影響として、地方から都市部への人口流入が挙げられます。2010年には約4億人であった都市部の人口は、2050年にはその約3倍の12億3000万人にまで膨れ上がると予測されています。それに伴い、都市部におけるインフラの逼迫や公衆衛生の悪化などの問題が深刻化する可能性があります。また、都市化は食料問題にも拍車をかけてしまうかもしれません。どのようにして急増する都市部における食糧・水の需要を賄えば良いのでしょうか。国連は、これらの潜在的な問題の解決には政府主体となった都市管理のガバナンス改革が必要になると考えています。
一方で都市人口の増加は、アフリカの経済発展を促すと考えられています。将来性のあるアフリカの都市部が適切に整備され、そこで適切なサービスが提供され都市開発が進めば、イノベーション創出を促進し経済発展に繋がるでしょう。
生産年齢人口の増加
図2:アフリカの生産年齢人口推移
GLM|LIC Synthesis Paper No.10 (2019.11)を元にAAIC作成
次に、生産年齢人口増加によるインパクトについて考えてみましょう。(生産年齢人口とは、一般に生産活動に従事しうる年齢層の人口で、開発途上国では15~59歳とされています。)2020年約6億人であったサブ・サハラ地域の生産年齢人口は、2050年には約13億人に倍増します。もし労働力増加に伴った雇用機会が創出されなければ、失業率は高まってしまうでしょう。そうなると、貧困若年層の増加・失業率の上昇を背景にして起きた「アラブの春」のような社会的混乱が起こりかねません。
しかし労働力の増加は経済発展をもたらします。例えば、1990年代以降劇的な経済発展を遂げた中国における経済発展の主要因は豊富な労働力とされています。その当時の中国の生産年齢人口は7.5億人です。この数字と比較してみると、現在の中国のように、アフリカは将来的に豊富な労働力を武器に、グローバル経済で大きな役割を担うようになる可能性が高いことが分かります。供給側だけでなく、人口増加は消費拡大をもたらし、巨大市場としてグローバル経済に大きなインパクトを与えるでしょう。
このように、アフリカの爆発的な人口増加は大きな社会不安に結びつく可能性がある一方で、適切に国家運営を行い、雇用機会を創出できれば、人口ボーナスとして大きなパワーをアフリカ経済にもたらす可能性があります。
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出典:
Regional office for Africa
https://unhabitat.org/ru/node/9274
The Demography of the Labor Force in
Sub-Saharan Africa:
Challenges and Opportunities
https://g2lm-lic.iza.org/wp-content/uploads/2019/11/glmlic_sp010.pdf
大和総研 木村浩一 アフリカの人口爆発 (2015.9)
https://www.dir.co.jp/report/column/20150903_010079.html
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