アフリカ大陸第2位の国土と8,000万人を超える人口を有するコンゴ民主共和国(以下、DRC)。2018年に婦人科医デニ・ムクウェゲ氏が、ノーベル平和賞を受賞したことで注目を集めました。
そんなDRCがどんな国なのか、今回は見ていきたいと思います。
コンゴ民主共和国の基本情報
以下、DRC基本情報をまとめました。
面積:234.5万平方キロメートル
人口:8,407万人(2018年)
人口増加率:3.227%(前年比)
首都:キンシャサ
民族:部族の数は200以上,大部分がバントゥー系
宗教:キリスト教(80%),イスラム教(10%),その他伝統宗教(10%)
通貨:コンゴ・フラン(FC)
※1米ドル==1626.2FC(2018年,EIU)
言語:フランス語(公用語),キスワヒリ語,リンガラ語,チルバ語,キコンゴ語等
続いて経済面。
名目GDP:472.3億ドル(2018年)
一人当たりGNI:490ドル(2018年)
GDP成長率:5.8%(2018年)
天然資源の宝庫
かつてザイールという名だったDRCは「天然資源の宝庫」とも言われています。
豊富な鉱物資源に恵まれ、銅、金、スズ、ダイヤモンドなどに加え、リチウム電池製造に不可欠なコバルトやスマートフォンに使われるタンタルなどのレアメタルの世界最大の埋蔵量を抱えています。中でもコバルトは世界の産出量の54%を占めている他、DRCの輸出品の約9割を石油・鉱物資源が占めており、DRCは世界有数の資源産出国といっても過言ではありません。
一方で、国連開発計画(UNDP)の人間開発指数(HDI)は188か国中176位の最貧国であり、豊富な資源が国民の豊かさに結びついないのが現状です。そのうえ、東部のウガンダやルワンダとの国境地域では紛争が続き、毎年1,000人以上が犠牲になっています。こうした紛争が継続する要因の一つとなっているのが豊富な鉱山資源なのです。
さらに、武装勢力や国軍による鉱物資源の採掘・輸送への介入や児童や妊婦による鉱山での労働も深刻な問題として挙げられています。これらの問題に対し、国際社会は鉱物の取引規制など対応をとっているものの、鉱物採掘を生業とする住民の生活が悪化する懸念や、各国政府や企業の利害関係が複雑に絡み、資源禁輸は実施されていません。
鉱物資源以外にも、広大な森林と豊かな水資源から、農業、エネルギー産業の潜在力も高いものの、鉄道・道路の未整備、半内陸国のため国際市場へのアクセス難という問題を抱えています。
2019年1月、フェリックス・チセケディ氏が新大統領に就任し、貧困対策、福祉、雇用、教育、保健・衛生、インフラ整備などを優先施策とした国民の生活水準の向上、経済成長に向けた経済改革、法制度の改善、政治改革、財政刷新の必要性などについて言及しました。
改善が進むビジネス環境
2018年10月時点で、DRCに進出している日本企業はわずか4社です。
しかし、上述の通り、政府は経済改革の1つとしてビジネス環境の改善にも取り組んでいます。
1つの例が現地法人の設立プロセスです。従来、税務署を始めとする15にも亘る政府機関に手続を申請する必要があり、多くのコストと時間が必要でした。しかし現在では、必要書類が全て整えば原則申請後3日間、手数料も120ドルで会社設立ができるようになっているようです。実際にアフリカで多くの投資や事業を行うグローバル企業の方や個人投資家の方と話をする中でも、今後10年以上の長期で成長しうる「大穴」的な存在としてDRCを挙げる方がいます。
進出事例は未だ多くはないものの、8千万人超の人口、鉱物などの豊富な資源に加え、進出環境が整いつつあるDRC。DRCのポテンシャルを上手く活用し進出の先陣を切る日本企業が現れる日は遠くはないかもしれません。
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《参照》
2020年9月16日閲覧
『コンゴ民主共和国 基礎データ』
『ジェトロ、コンゴ民主共和国にミッション派遣、投資ポテンシャルの高さに着目』
『JICAコンゴ民主共和国事務所 所長あいさつ』
『コンゴ民主共和国における紛争資源問題の現状と課題』
『アフリカ地域投資促進支援業務』
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