アフリカの識字率・・・そもそも識字率とは?教育の重要性
識字率とは、文字の読み書きができる人の割合のことです。国や地域において教育水準や生活水準を示すためにも用いられる識字率は、その国や地域が先進国と開発途上国のどちらかであるかを判断するうえでも重要な指標となっています。ユネスコでは、識字率の定義を「日常生活で必要な簡単な文章を読み書きできる15歳以上の人の割合」としていますが、国によって定義は異なります。識字ができない人は世界で約7億7,300万人もいるとされており、その多くが貧困・紛争・女性蔑視といったさまざまな理由で教育を受けられていません。
識字率が低いと、仕事を選ぶことができない、公共サービスを正しく受けることができない、さらには、薬の説明や注意書きを読むことができないなど、生活だけでなく命にまで危険が及ぶ可能性があります。
アフリカの識字率が高い国トップ10
国名 | 合計 | 男 | 女 | 年次(学年) | |
1 | ガボン | 84.7 | 85.9 | 83.4 | 18 |
2 | ケニア | 81.5 | 85.0 | 78.2 | 18 |
3 | アルジェリア | 81.4 | 87.4 | 75.3 | 18 |
4 | コンゴ共和国 | 80.3 | 88.5 | 66.5 | 18 |
5 | ガーナ | 79.0 | 83.5 | 74.5 | 18 |
5 | チェニジア | 79.0 | 86.1 | 72.2 | 14 |
7 | タンザニア | 77.9 | 83.2 | 73.1 | 15 |
8 | カメルーン | 77.1 | 82.6 | 71.6 | 18 |
9 | コンゴ民主共和国 | 77.0 | 88.5 | 66.5 | 16 |
10 | エリトリア、レソト | 76.6 | 84.467.7 | 68.984.9 | 1814 |
アフリカの識字率が低い国トップ10
国名 | 合計 | 男 | 女 | 年次(学年) | |
1 | チャド | 22.3 | 31.3 | 14.0 | 16 |
2 | ニジェール | 30.6 | 39.1 | 22.6 | 12 |
3 | ギニア | 32.0 | 43.6 | 22.0 | 14 |
4 | 南スーダン | 34.5 | 40.3 | 28.9 | 18 |
5 | マリ | 35.5 | 46.2 | 25.7 | 18 |
6 | 中央アフリカ | 37.4 | 49.5 | 25.8 | 18 |
7 | ブルキナファソ | 41.2 | 50.1 | 32.7 | 18 |
8 | ベナン | 42.4 | 54.0 | 31.1 | 18 |
9 | シエラレオネ | 43.2 | 51.6 | 34.9 | 18 |
10 | ギニアビサウ | 45.6 | 62.2 | 30.8 | 14 |
アフリカの識字率が低い国ランキング=世界の識字率が低い国・・・しかし、国別統計が全てではない?見落としがちな国内の格差
アフリカ全体的に他の諸外国と比べて識字率が低い理由がいくつかあります。(ちなみに、日本を含む先進国の識字率は98~99%で、世界平均は85.9%です。)
まず一つ目は、教育の質が低いことがあげられます。アフリカでは子どもの数に対し、学校や教師の数が足りていません。また、教師として子どもたちに教育する大人が、十分な知識や知恵を持っているとは限らないため教師の教育の質も問題になっています。
二つ目は、ランキングからも見てとれるように、アフリカ諸国のほとんどの国に性別の格差が存在しています。貧困層が多い国では、女性よりも男性が優遇される慣習が未だに残っています。そのため、家庭が貧困な場合は、女の子より男の子に教育を受けさせることがあります。
三つ目は、親が十分な教育を受けてこなかったことから、子どもに教育を受けさせる意義を認識していない場合があることです。日本では、労働基準法により児童労働が禁じられており、義務教育制度により初等教育就学率は男女ともに100%ですが、アフリカなどの開発途上国では、生活困窮のために多くの子どもが働いているのが現状です。とくに児童労働が深刻なアフリカでは、5人に1人の子ども(5~17歳)が生活のために働いていており、教育の機会を逃しています。
これらの理由は一部で、この他にも内戦などでインフラが破壊されてしまい、そもそも学校がなかったり、交通インフラが整っていなかったり、教師の教育の質が低いが故に生徒が苦労して学校に行く必要を感じなかったりと、アフリカの識字率の事情には複雑かつ深刻な理由が多く存在します。
こうした背景もあって、アフリカの識字率の低い国ランキングの上位国=世界の識字率ランキングの最下位国と言い換えることができます。また、データ上は識字率が比較的高めと出ていても、国内の地域やジェンダーに教育格差があって、支援が必要なケースも見られます。
SDGsの観点でも注目されるアフリカの識字率向上
2015年に国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標※)でも、識字率の向上は重要視されています。
SDGsの目標の一つ、「質の高い教育をみんなに」では、「2030年までに、すべての若者および大多数の成人が、識字と基本的な計算能力を身につけられるようにする」という目標が定められました。
具体的な支援方法としては、学校や関連インフラの建設、学用品の提供、教師の派遣、寄付や現地に出向いてのボランティア活動などが挙げられますが、アフリカの教育の現状を世界が知り、情報や背景を共有することも支援の一歩だといえます。
それでは実際にアフリカの各国ではどのような言語が使われているのでしょうか?次回はアフリカの主な公用語について、ご紹介します!
※SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットで採択されました。国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
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出典:
「世界の統計2021」総務省統計局 第15章 教育・文化
https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2021al.pdf#page=261(P260)
世界の中の日本を知る 世界ランキング 国際統計格付センター
http://top10.sakura.ne.jp/CIA-RANK2103R.html
SDGs(持続可能な開発目標)とJICA
https://www.jica.go.jp/aboutoda/sdgs/index.html
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