近年、「オフグリット電力」に関するサービスを展開するスタートアップがアフリカで増えています。特に、WASSHA(ワッシャ)、BBOX(ビーボックス)、M-KOPA SOLAR(エム-コパ・ソラー)、Powerhive(パワーハイヴ)は、日系商社から出資を受けています。
今回は、アフリカのオフグリット太陽光電力と日系商社の関係を見ていきたいと思います。
総額約10億円となる資金調達を完了した『WASSHA(ワッシャ)』
WASSHAは、東京大学発のベンチャー企業で2013年の創業以来、アフリカで事業を展開しています。
WASSHAは現地の購買行動の起点である小売店(以下キオスク)を活用したプラットフォーム事業に取り組んでいます。最初にローンチした未電化地域向けの電力サービス事業(Energy as a Service事業、以下EaaS事業)では、東アフリカのタンザニアにて、約1,300店舗(2019年10月末時点)のキオスクを介し、自社開発した太陽光充電式のLEDランタンを、所得の安定しない一般消費者にレンタルしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000047421.html
丸紅が出資参画
2018年8月末に、丸紅株式会社が出資参画しました。
2019年に実施したシリーズBの資金調達においては、ダイキン工業やヤマハ発動機などが参画し、総額10億1,000万円を調達しました。その後、ダイキン工業とは、11月にタンザニアでエアコンのサブスクリプションモデルの実証実験で共同事業を開始しました。
(参照:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51950620Y9A101C1XY0000/、 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000047421.html)
英国発オフグリット分散電源事業者、『BBOX(ビーボックス)』
BBOXは、2010年に創業され、太陽光発電、蓄電池、家電を組み合わせたSolar Home System(SHS)を用いて電力を供給します。これまでに12ヶ国でSHSを提供しています。
三菱商事が出資参画
2019年の年明けには、インフラファンドAfrica Infrastructure Investment Managersから3,100万ドルを調達したり、5月にはFFI OGEFから800万ドルにあたる融資をルワンダ通貨建てで獲得したりしました。その後、2019年8月に三菱商事株式会社が、BBOXに出資参画しました。
(参照:https://renewablesnow.com/news/off-grid-solar-platform-bboxx-gets-usd-31m-aiim-cash-boost-639428/、https://www.agenceecofin.com/investissement/2305-66418-rwanda-bboxx-obtient-8-millions-en-francs-rwandais-pour-etendre-sa-part-de-marche)
ケニアに本社をもつ、『M-KOPA SOLAR(エム-コパ・ソラー)』
M-KOPA SOLARは、2011年に設立され、アフリカでSolar Home System(SHS)事業を展開しています。同社の特徴として、販売するSHSがIoTやモバイル決済の技術を組み合わせて割賦販売を可能としたPAYG(Pay As You Go:支払った分だけ使用できる方式)型であることが挙げられます。最近では、ナイジェリアでもPAYGのサービスを開始しました。
(参照:https://magviral.com/m-kopa-solar-is-launched-in-nigeria-starts-pay-as-you-go-solar-service/)
三井物産と住友商事が出資参画
2018年5月に三井物産株式会社が出資参画し、同年12月に住友商事株式会社が出資参画しました。
(参照:https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2018/1226148_11233.html、https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2018/group/11080)
米国スタートアップ、『Powerhive(パワーハイヴ)』
Powerhive は、2011年に設立されました。
パワーハイヴ社は、ケニアで民間企業として最初に売電ライセンスを取得し、同国の無電化地域で太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせたミニグリッドを構築・設置し、周辺地域の複数住宅および事業者へ電気を供給する事業を展開しています。ミニグリッドの設備資産は、パワーハイヴ社が保有するため、利用者は発電設備などの費用を負担することなく、使用する分の電気代をモバイル決済で支払うことにより安定的に電気を利用できます。また同社は、開発候補地選定、配電網設計、建設、電力供給管理、顧客管理までの一連のシステムプラットフォームを自社で開発・保有し、地域ごとの電気需要に合ったミニグリッドを構築することが可能です。
https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/190705_004421.html
豊田通商が出資参画
今年7月に、豊田通商株式会社が出資参画しました。
(参照:https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/news/00001/00061/?ST=msb)
丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事、豊田通商は、それぞれ独自のネットワークや知見を生かし、出資先の事業の拡大、拡大を目指します。2020年以降の動きに注目です。
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