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今回は、M&Aを通じアフリカ市場の開拓を進める、日本たばこ産業株式会社を紹介します。
日本たばこ産業(JT)について
同社は、日本たばこ産業株式会社法に基づき、大蔵省(現在の財務省)所轄の特殊会社として1985年に設立されました。
現在は、たばこ事業を中心に、医薬事業、食品事業、その他(アグリ事業、エンジニアリング系事業及び、保有不動産の活用)など事業を多角的に展開しています。
1984年に海外進出を果たすと、1992年には英国のManchester Tobacco Company(マンチェスター・タバコ・カンパニー)を買収し、海外製造拠点を確保しましたが、海外におけるたばこ販売本数の伸びは鈍化傾向にありました。
自律的な成長の限界を感じ、大型のM&Aによる成長を通じた国際競争力を確保するため、現在は戦略的投資を重視する経営方針へ転換しています。
1999年のRJRナビスコから米国外のたばこ事業を買収、2007年の英国ギャラハー社を買収したことにより、グローバルな流通・販売網や製造拠点が確保され、たばこ販売本数も200億本から2000億本へと10倍に跳ね上がり、世界3位のタバコメーカーとなっています。
アフリカでの事業/動向
戦略的投資でアフリカ市場進出へ
JTのバリューチェーンは、
①研究開発→②原材料調達→③製造→④マーケティング→⑤販売・流通
となっています。
バリューチェーンの観点から、
1.原料であるたばこの一大産地として(②原材料調達)
2.製造・販売の拠点として(③製造、⑤販売・流通)
アフリカ市場の開拓は非常に重要です。
同社は、2011年からアフリカ関連のM&Aを始めています。
アフリカ関連のM&A事例
同社がアフリカではどんなM&A戦略を行っているか、4つの事例を紹介します。
■葉たばこサプライヤーを買収
2009年、マラウイ、ザンビア、タンザニアを含む複数の産地において、葉たばこを供給事業を行っている、英国のTribac Leaf Limited社(トリバック・リーフ・リミテッド)を買収。
この買収により、葉たばこの供給の不安定化や価格の高止まりに対応し、高品質な葉たばこの安定的な調達基盤を確保しました。
■スーダンの大手たばこ製造会社を買収
2011年、スーダン・南スーダン両国でたばこ製造を展開するHCTF社(Harggar Cigarette & Tabacco Factory Ltd.)の全発行済み株式を約4億5000万ドル(約350億円)で買収。
2011年当時、スーダンタバコ市場の82%を握っていた同社を買収したことで、両国における事業地盤の強化を図っています。
■エジプトの水たばこ製造会社を買収
2005年、エジプト国内をはじめ、水タバコのシェアの高い中東や北アフリカなど85カ国に輸出している、水タバコの製造・販売の大手企業Al Nakhla社(アル・ナハラ)を買収。
中東、アフリカ市場の事業地盤を強化し、長期的にはエジプト紙タバコ市場の足がかりを築くことを目指しています。
■エチオピアの大手たばこ会社を買収
2016年、エチオピアのタバコ製造大手、NTE社(National Tabacco Enterprise Ethiopia S.C)の株式40%を約530億円でエチオピア政府から取得。
2017年には株式30%を追加取得。結果としてJTはNTE社の株式70%を保有し、NTE社を子会社化しました。
これにより、市場の拡大に対応した製造・流通体制を強化しています。
独自のM&A戦略
同社は自社でM&Aに関連するプロセスを遂行し、買収後の事業統合に注力することで大型M&Aを成功させてきました。
他の機関や会社のサポートはあまり受けず、自社で現地の情報を収集し、買収候補先、シナジー効果などの検討をしています。
統合前には早期に事業計画を立てることで、迅速に統合が進めることが可能です。
また、買収先の強みを大切にしています。
社外専門家に頼らない「主体性」と相手の良さを積極的に認める「謙虚さ」がM&Aを成功させる要因ではないのでしょうか。
アフリカ展開ポイントまとめ
1、独自のプロセスでM&Aを遂行
2、買収後の事業統合に注力
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《企業情報》
■企業名:日本たばこ産業株式会社
■上場/非上場:上場
■従業員数:連結613,968名(2018年)
■売上:連結 2兆2,160億円(2019年)
■営業利益:連結5,649億円
■時価総額:約3.98兆円(4/10現在)
■企業URL:https://www.jti.co.jp/
《参照》
2020年4月18日
『アフリカにおけるJTグループのビジネス展開』
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