アフリカビジネスの理解が深まる書籍③ 「池上彰のアフリカビジネス入門」

2020.12.21
ANZA編集部
アフリカビジネスの理解が深まる書籍③ 「池上彰のアフリカビジネス入門」


今回、ANZAが紹介するアフリカビジネスに関するおすすめ本はこちら!

池上彰著「池上彰のアフリカビジネス入門」です。

書籍概要


発展が著しいと言われているアフリカの経済は、今実際にどうなっているのか。
アフリカのビジネスの世界で、日本はどのような役割を負っているのか。

これらの疑問を明らかにするために、数年間アフリカ大陸を取材した池上彰氏。

自らの足でアフリカの大地を踏みしめながら実感したのは、「アフリカの巨大さ」だといいます。

南北に8,000kmのび、54か国がひしめくアフリカ大陸では、国ごとに国情も経済発展の段階もばらばらです。「アフリカ」をひとくくりで見ないことが、アフリカとアフリカビジネスを理解する第一歩だというメッセージと共に、アフリカビジネスのいろはが詰まっています。

アフリカの最前線で働く人々との対談形式で、物流インフラや農業、エネルギーなど9つのトピックに分けて語られており、非常に読みやすくなっています。本書の出版は2013年と若干古いですが、この9つのトピックは多少濃淡の違いはあるものの、今もアフリカを理解するうえでは重要な9つの視点だと思います。

まずは、アフリカの概要について知りたい!そんな方にお勧めの一冊です。

書籍要約


これだけ押さえておこう!アフリカに関する9つのポイント

1.「援助」より「投資」 
21世紀のアフリカは90年代のアジア、50年代から60年代の高度成長期直前の日本にそっくりです。アフリカ全土でみると、支援のステージから投資のステージへ、つまり経済成長が本格的に始まっている国が多数を占めています。

2.政治の安定で資源大陸に変身
21世紀を迎えるまで、アフリカ諸国の多くが政情不安や内戦、貧困などから、コストのかかる資源開発を自力で行うことができず、かつ外国資本を招くのも困難でした。21世紀に入り、大半の地域で政治が安定するようになって、海外からの援助や投資が増え、資源開発が軌道に乗り始めています。

3.中国は要チェック
アフリカ進出に非常に活発な動きを見せているのが中国やインドの新興国です。投資面では、21世紀初頭までは、宗主国であったイギリスとフランスに加え、アメリカからの投資が全体の70%を占めていましたが、現在では中国やインドなどの新興国からの投資が50%に上っています。

4.日本の知恵は大人気
日本には知恵と技術があります。アフリカには資源や広大な土地、巨大な市場があります。日本の知恵や技術をアフリカで生かせば、アフリカを豊かにし、その恩恵は日本にも還ってくるはずです。すぐに投資効果が見えるわけではありませんが、数十年単位でアフリカと一緒に成長しようという発想が非常に重要になります。

5.10億人の手つかずのマーケット
成長の著しいアフリカでは、中産階級の所得水準がすさまじい勢いで上昇しています。政府や軍の特権階級ではなくビジネスで高級車や高級アパートなどをごく普通に持つ富裕層も生まれつつあり、この市場は非常に狙い目です。BOPのみならず消費市場としてもっとアフリカに注目すべきなのです。

6.地熱発電など日本の強みを生かせ
アフリカにおいて日本企業に勝ち目がある分野としては、携帯電話を利用した各種サービス、廃棄物ビジネス、社会インフラなどが挙げられます。例えば、日本が得意とする地熱発電はアフリカでも非常に期待されており、中でも大地溝帯が横断するエチオピアとケニア、タンザニアは地熱発電のポテンシャルが非常に高いです。

7.TICADに注目
日本政府は、1993年以来5年に一度アフリカ開発会議(=TICAD)を開催しています(TICADV以降は3年に一度)。国連などと協力しながらアフリカの開発をアフリカ各国と考える場を設けることで、アフリカ各国と日本の関係を深めています。

8.物流インフラが鍵
アフリカの経済成長を促すうえで、社会インフラ、とりわけ物流インフラの整備は喫緊の課題です。自国の港を持たないという輸送上のハンデを負う内陸国がアフリカには16か国もあります。アフリカの成長は道路整備を筆頭に港湾整備など物流インフラの充実が大きなカギを握っています。

9.学校教育がアフリカの未来を創る
アフリカでは、1993年代からの20年間で小学校の就学率は上昇しましたが、まだ道半ばです。親が学校へ行ったことがないために教育の必要性が理解できないという問題もあります。学校教育の浸透そのものは、今の子供たちが親になる世代まで、一つ代替わりしないと本質的な解決はできませんが、日本が協力できることは多くありそうです。

この他にも、農業や電力、市場としてのアフリカなど様々な視点から、アフリカの課題と日本企業の取り組みについて紹介されています。

最後には、

人間、知らないものを欲しがることは不可能です。

市場に需要が発生するためには、その前に、消費者たちを知ることが必要です。

そのために、まずは先進国がアフリカに対し未来につながる供給を行う。

アフリカにどんな未来を供給できるのか、自身の目で確かめることから始まります。

本文より引用


と、まずは現地に足を運び、実際のアフリカを体感することが重要性だという著者のメッセージが込められています。

本書は、アフリカの概要を知る一歩目のテキストとしてご活用いただけると思いますので、ぜひお手に取ってみてください。

書籍情報


書籍名:池上彰のアフリカビジネス入門
著者:池上彰
出版年:2013年
発行所:日経BP社

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