豊田通商、InTouchへの出資を発表
2021年7月7日豊田通商は、子会社のCFAOとMobility 54を通じてフランスのスタートアップ企業、InTouch社に合計5百万ユーロの出資を行ったことを発表しました。
InTouchは2014年に設立されたフィンテックのスタートアップです。現在、フランス語圏アフリカを中心に7カ国*でサービスを展開しています。
*セネガル、コートジボワール、マリ、ギニア、カメルーン、ケニア、ブルキナファソ
アフリカ大陸はモバイルマネーの台頭もあり、現金決済からデジタル決済への転換が進んでいます。昨年ルワンダでは、乗合タクシーの完全キャッシュレス化が始まるなど、コロナ禍の影響を受けその流れは加速しているようにも見えます。
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しかしその弊害としてあるのが、キャッシュレス決済手段の乱立です。
アフリカでもグローバル企業のVisa等に加え、キャッシュレス決済の現地スタートアップも多く誕生しています。そのため、それら多種多様な決済情報をまとめて管理して、各支払いを適切に行う必要があります。
その重要な仲介の役割を果たしているのが、デジタル決済アグリゲーターのInTouch社です。
同社は複数のデジタル決済サービスを仲介することで、小売やECサイトのキャッシュレス決済の導入や管理をサポートしています。
現在では約150万ユーロの取引が毎日なされているようです。
同社は今回の豊田通商による出資のほか、既にフランスのTotalやWorldlineから出資を受けています。
そのため、アフリカで広く展開するTotalのガソリンスタンド、1,200箇所で携帯電話を利用した非接触型決済等を提供するサービス、「Touch Pay」も導入しています。Totalのガソリンスタンド以外も含めると、約3万箇所に展開しているようです。
今後、豊田通商との連携を進め、さらにアフリカ全土にサービスを展開していくものとみられています。
信頼できる決済手段を
今回出資を行なった豊田通商は、これまでも2020年10月にData Integrated、2021年3月のMoja Rideと、続けざまに公共交通インフラの効率化、品質向上を促進するスタートアップへの出資をしてきました。
今回、出資したInTouch社は公共交通インフラとは直接的な関連性はないものの、Data IntegratedとMoja Rideがキャッシュレス決済を1つの手段として交通インフラの効率化を目指している点では、フィンテックという共通点も見出せます。
フィンテックは上記の通りどのような産業分野でも応用することができ、ビジネスの基本インフラとも言えます。
CFAOの買収などアフリカで自動車などのリアルなビジネス、強固なビジネス基盤を築いている豊田通商は、フィンテックを組み合わせることでより強固な競争優位性を生み出せる可能性を秘めています。そのような視点で同社はフィンテック、特にキャッシュレス決済に注目しているのかもしれません。
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《参照》
2021年7月27日閲覧
「Touch – agregation des moyens de paiement et distribution de services numériques」
「西アフリカでデジタル決済サービス事業を展開するInTouch社へ出資」
「ケニアでバス運行管理システムを開発・提供するData Integrated社へ投資~アフリカの公共交通のデジタル化を促進~」
「コートジボワールでデジタル交通プラットフォームを展開するMoja Ride社へ出資~日経・JICA主催 「アフリカ新興テック ピッチ決勝戦」 にて特別賞~」
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