さて「アフリカ国別基礎情報:ルワンダってどんな国?」で紹介したように、ルワンダはICT及び関連事業の拡大に力を入れています。
そんなルワンダが、国内で主流の移動手段であるバイクタクシーの完全キャッシュレス化を実施しました。
アフリカの多くの国では、タクシー(バイクタクシーを含め)でのお金のやり取りは現金を主要としています。というのも、日本のようにタクシー代が高額になることは少なく、数十円から多くても千円以下に代金が抑えられることや、クレジットなどのキャッシュレス決済の手段を持っていない人々、またタクシーが多数であることが理由にあげられます。
しかし近年では、アフリカの多くの国で携帯電話を通した送金システム「モバイルマネー」が利用されるようになっています。例えば貧困地域から都心に出稼ぎに行き、家族にモバイルマネーを通し仕送りをするといったモバイルマネーの活用がみられます。
今回のルワンダでのバイクタクシーのキャッシュレス化でも、このモバイルマネーが活躍しています。
新型コロナ蔓延防止のため6月1日からバイクタクシーのキャッシュレス化へ
ルワンダの首都キガリでは新型コロナ蔓延防止のため、5月末時点ではバイクタクシーの営業が一時的に停止させられ、登録済みのタクシー運転手だけでも約37,000人(首都だけで22,200人)に影響がでました。
5月27日、営業再開を6月1日と予定していたバイクタクシーに対し、ルワンダ規制当局(RURA)は
「キガリのバイクタクシーにメーターとキャッシュレス決済の利用を求めます。なお首都以外の地方のバイクタクシーについては、遅れて適用開始としますが、直接的な現金やり取りからキャッシュレス決済に移行するように求めます。」
と、発表しました。
今回のキャッシュレス化への移行には既に首都のバスで利用されている「Tap-and-go」(DMMグループが出資参画する現地スタートアップAC Groupが運営)の決済システムに基づいて構築されました。
New York Timesによると、Yego Moto(イエゴ・モト)、Pascal Technology(パスカル・テクノロジー)、Mara Group(マラ・グループ)などの国内のtech企業の技術により、GPSを用い、走行距離から運賃を導くことを可能にしています。
また決済においては、国内の市場シェアの約85%を占めるMTN(エムティーエヌ)とAirtel(エアテル)のモバイルマネーの利用が政府からも推奨されています。モバイルマネーを採用することで、銀行口座を持っていない人々でもキャッシュレスに対応することができるという利点があります。
なお政府から推奨されたMTNでは、新型コロナ蔓延を受け3月23日からの90日間、ルワンダ国内でのモバイル送金の手数料を無料にしています。
関連記事:大手携帯通信会社MTNとは!?基本情報からコロナ対策まで
今回のキャッシュレス化への移行は新型コロナウイルス感染防止のため、早期に実行されましたが、実は昨年に、2020年7月1日までのバイクタクシーのキャッシュレス化への移行の義務化が既に発表されていたため、バイクタクシー運転手、そして利用者にとっては寝耳に水というほど急な要請ではありませんでした。
新型コロナ蔓延により早まったバイクタクシーのキャッシュレス化ですが、これによりバイクタクシー運転手と乗客間の運賃の争いを無くしたり、無謀運転の追跡をも可能にするという本来の狙いも実現しています。
日常的な場面であるバイクタクシーの支払いでキャッシュレス化が義務化されたルワンダでは、これまで以上にキャッシュレス化が加速し、さらに暮らしやすい国へと進化するのではないでしょうか。
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《参照》
2020年6月9日閲覧
「Motorcyclists in Rwanda to use meters and cashless payments from June」
「All Kigali Motorcycle Taxis Go Cashless」
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