今回は紹介するアフリカ有名企業は、アフリカ最大の航空会社であるエチオピア航空(Ethiopian Airlines)です。
アフリカ最多の就航都市数と売上成長率で、アフリカ航空業界でトップシェアの地位を確立しているエチオピア航空。世界とアフリカをつなぐ最大の航空会社の事業についてまず紹介します。
事業概要
エチオピア航空は、旅客サービスを提供するエチオピアの航空会社です。
2011年から急速に成長した同社は、過去7年にわたり25%の売上成長を続けており、アフリカ航空業界でトップシェアの地位を確立しています。
就航都市数はアフリカでは最多、世界で4番目に多く、アフリカ、中東、アジア、南北アメリカ、ヨーロッパの全138都市を接続し、貨物サービスでは37カ所の就航都市を持つ世界有数の貨物運送業者にもなっています。
エチオピアにあるアディスアベバボレ国際空港はアフリカ最大規模の空港で、アフリカと世界各都市を結ぶ玄関口となっています。
1945年にアメリカの航空会社の支援により設立された同社は、2017年から、旅客サービス、貨物輸送およびロジスティックス、エチオピア航空アカデミー、機内食サービス、MRO(機体等の修理)、空港サービスの部門に分かれたEthiopian Groupとして再編成されました。これにより効率の最大化や顧客サービスの向上が図られ、同年2017年から3年にわたり、乗客満足度調査(Skytrax World Airline Star Rating)ではアフリカ1位の満足度を獲得しています。
航空業界は、コロナウイルスの拡大により多大な影響を受けましたが、同社は貨物輸送に軸足を移すことで危機に迅速に対応しました。
コロナウイルスが拡大して間もない2020年4月には、同社も保有する旅客機の一部を貨物輸送機に改造し貨物輸送に切り替えはじめました。
それ以降、世界保健機構や国際連合、中国の政府・企業と提携してワクチンなどの医療機器をアフリカ各国に届けるなど、同社への貨物輸送の需要はパンデミック以前よりも増加しています。
エチオピア航空の強み
同社がアフリカ航空業界でトップシェアの地位を確立した理由は主に2つあると考えられます。
1つは、ハブ空港に適切な位置です。
エチオピアはアフリカ大陸の右上という、世界各国をアフリカの各都市に接続しやすい場所に位置しています。
アフリカ域内64都市の路線網を生かし、リゾート地に向かう観光客やビジネスパーソンの乗り継ぎとしての利便性が高く、またアフリカ連合(AU)本部がある政治都市アディスアベバには、外交団の往来も多くあります。
同社はこのような需要をうまく捉え、アフリカ域内82都市、域外56都市に路線網を展開して成長していると考えられます。
2つ目は、政府による経営体制です。
同社はエチオピア国営の航空会社ですが、同政府は商業的に運営することを許可しており、独立した経営が行われています。
政府から制約を受けずに経営している一方、同政府は国内外の他航空会社に対し、エチオピアへの就航を制限しています。
そのため他社はエチオピアに直接就航することはできず、同社とコードシェアやインターライン契約を結ぶ必要があります。
同社は、政府のサポートを受けながらも制約は受けず商業的に経営することができ、成長を続けています。
関連記事:エチオピア|ビジネス基礎情報|アフリカ国別
《企業情報》
■企業名:Ethiopian Airlines
■上場/非上場: 非上場(政府が株を保有)
■従業員数:12,994人(2018)
■売上:約172百万ドル(2019)
■企業URL:http://www.ethiopianairlines.com
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《参照》
2021年8月31日閲覧
「Ethiopian Airlines ends 2020 fiscal year with profit due to its ‘agility’」
「Ethiopian Airlines Loses $550 Million, But Believes It Can Survive」
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