アフリカは世界最後の成長大陸、今後日本企業が大いに貢献できる場所

2019.09.25
椿進
アフリカは世界最後の成長大陸、今後日本企業が大いに貢献できる場所

Asia Africa Investment and Consulting (AAIC) 代表パートナー
ルワンダ・ナッツ・カンパニー株式会社 取締役
椿進

アフリカは世界最後の成長大陸、今後日本企業が大いに貢献できる場所

弊社代表パートナー、またルワンダ・ナッツ・カンパニー株式会社の取締役を務める椿から、アフリカでの事業展開の経緯、さらには今後の展望とアフリカの魅力や今後進出を検討されている方へのメッセージをお届けします。

―アフリカとの出会いのきっかけを教えてください。

本格的にアフリカに関わるようになったきっかけは2012年、ケニア・ナッツ・カンパニー創業者である佐藤芳之さんとの出会いでした。

とある会議で偶然席が隣になった佐藤さんの話を伺ったところ、1962年にアフリカに渡り、ケニアでナッツの事業を立ち上げ大成功をされた方だと知りました。とても興味を持ったことから、彼のいるケニアを訪ねることにしました。AAIC(当時パンアジア・パートナーズ)の共同創業者にアフリカに4,5日行ってくると伝えると、「危ないし、仕事になるかも分からないのに」と強く止められたのですが、どうしても訪問したかったので、旅程を短縮することで納得してもらいケニアに出発しました。

アフリカに関する仕事が少しずつ出てきたので、「ぜひアドバイザーになっていただきたい」と、現地で佐藤さんにお願いしたところ、「それもいいが一緒にビジネスをやろう。今、ルワンダからこういう話が来ている。お金を出して一緒にやらないか」とお声がけ頂いたのが「ルワンダ・ナッツ・カンパニー」の始まりです。

あの時「仕事になりそうもないから」という理由でケニア渡航を取りやめていたら、今のアフリカ事業もアフリカ・ファンドもなかったかもしれない、と思うと運命であったのだと感じています。

ルワンダ・ナッツ・カンパニー新工場の前での集合写真

―その後アフリカでの事業はどのように展開していったのでしょうか?

ルワンダでマカデミアナッツを生産・加工・輸出するルワンダ・ナッツ・カンパニーを立ち上げたのですが、最初に集めた資金では不足しまた幅広い分野でアフリカの大きな可能性を感じ「日本初のアフリカ・ファンドを設立しよう」と思いたちました。日本で色々な商社様などを回って話をして、2014年に誕生したのが豊田通商さまとの社会貢献型ベンチャーファンド「Toyota Tsusho CSV Africa Pte. Ltd.」です。結局、このファンドからはルワンダ・ナッツ・カンパニーへ投資することはできなかったのですが、AAICとしてこのファンドの運営に携わり、ケニア、ザンビア、エチオピアなどで複数の投資を行うことができました。

その間にAAICとしてケニアのナイロビにオフィスを立ち上げ、アフリカに関する調査やコンサルティング案件のご相談を徐々に頂くようになりました。2017年7月には2号目のファンドとなる「アフリカヘルスケアファンド(AHF)」を立ち上げ、こちらは複数の出資者(LP)にご参画頂き、現在、鋭意運営しています。現在(2019年8月末)の投資件数は13件ですが、最終的には25件ほどに投資をしたいと考えています。

―アフリカの魅力はどういったところにあると感じますか?

やはりこれから成長するというところです。例えばケニアは一人当たりのGDPが約1,800ドル前後で、これは自分が子供の頃の1960-70年代の日本にそっくりです。そこら中が建設ラッシュで、新幹線が開業、高速道路が開通、ショッピングモールが続々とできて、でも砂利道も残っていて……そんなところから日本が発展してきたように、アフリカも同じように発展するはずです。最後の成長大陸であり、特に新興国で日本の成長を創造することを目的としているAAICとしては、アフリカはアジアと並んで欠かすことのできない地域であると考えています。

―アフリカならではのビジネスの特徴・難しさはありますか?

例えばインドや中国に比べると、アフリカはビジネスがやりやすいと思います。

例えば、インドはアフリカ大陸の1/10ほどの面積ですが、人口はほぼ同等で非常に人口密度が高く、さらに国内外の先行プレーヤーも数多くいます。また、中国は英語が通じないという面があります。それらに比べると、アフリカの方が極めてやりやすいと感じます。

難しい面を挙げるとすると、インドと同程度の人口ながらもアフリカは54の国から成り立っているので、一つの国で会社登記をしても、他の国でも手続きが必要となるので、アフリカ全土ですぐに事業ができる訳ではないということが挙げられます。

また、これはどこでも言えるかもしれませんが、いわゆる「常識」が日本とは大きく異なるので、日本と同じようなオペレーションができるか確約されないという難しさはあります。

ただ、これらはいずれも時間が立てば変わってくると考えています。

―今後のアフリカ事業で目指すところを教えてください。

2019年中には、ナイジェリアのラゴスにオフィスを設け、西アフリカへと活動を拡大していく予定です。

ナイジェリアは人口が2億人弱で、これまで拠点としてきたナイロビのあるケニアの約4倍の規模です。日本と中国における事業の違いに似ていると思うのですが、同じことをやっても数倍のインパクトがあるということです。極端なことを言えば、IT系の分野などにおいては、ナイジェリアを制するものがアフリカを制するのではないかと考えています。

今後目指すところとしては、日本企業とアフリカ企業のマッチングを推進し、アフリカに進出する日本企業を増やすことです。アフリカに現在進出している日系企業(拠点)は約800社と、10年前のインドに近い水準です。そこからインドの日系企業(拠点)は5,000社以上にまで増えました。アフリカの日系企業も、10年後には今の10倍ほどにまで増やしていきたいと考えています。

―今後アフリカへの進出を検討されている方に、メッセージをお願いします。

多くの日本企業が、中国や東南アジアへの進出を終える中、次なる進出先としてインド、中東、さらに中長期的な成長大陸としてアフリカが出てきています。しかし、アフリカにおける日本人のプレゼンスは、中国人などに比べるとまだ圧倒的に低く、進出している企業数もまだまだ少ない状況です。

アフリカと言うと、多くの方は「遠い」「危ないのではないか」「市場はあるのか」といった懸念を口にされるのですが、これは現地に行ったことがなく、情報量が圧倒的に少ないが故に生じる懸念だと思っています。先日も、とある大手上場企業のお客様とアフリカを回った際、「アフリカももう、ここまで来ているのならいろいろできますね」とお言葉を頂いたことがあります。市場としても大きく成長を遂げていますし、面白いイノベーションを実現している企業も色々と出てきています。

我々としてもぜひアフリカ進出の先駆けになろうと考えています。皆さまにも、日本人として貢献できる部分がたくさんあると思うので、ぜひ挑戦してほしいと思います。

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