アフリカでの独自マーケティング活動で、5割超のシェアを持つ日系企業

2020/01/08

アフリカの女性たちは、つけ毛やウィッグによるヘアスタイルのアレンジを楽しんでいます。そんな流行を支えているのが、日系企業のカネカ株式会社です。高機能繊維「カネカロン」を利用したつけ毛などアフリカ頭髪装飾品向け素材市場シェアの現在5割超を占めています。

1983年よりアフリカ市場を開始

1949年に設立された同社は、もともと鐘淵化学を事業として行い、繊維、化学原料、食品、医薬品、太陽電池などを幅広く製造する準大手化学メーカーでした。その後、1983年に、アフリカ市場にて「カネカロン」販売開始しました。

2016年ガーナに駐在所開設
現地経済が上向くにつれて2003年頃から売上が拡大し、この10年で売上を10倍に伸ばしました。2016年には、初のアフリカ拠点となるガーナ駐在所開設し、カネカロン事業拡大、他事業の可能性を調査しました。

特に、ナイジェリアではヘアアレンジへの関心が高い
ナイジェリアの女性は、アフリカの他の女性と比較してもおしゃれへの投資を惜しまない傾向にあるそうです。そのため、カラフルな布や、つけ毛、ウィッグなど、自身のヘアスタイルを手軽に変化させることが流行っています。カネカ社の調査によると、都市部では若い女性の半分以上がつけ毛を編んでいるそうです。

「カネカロン」は、世界頭髪品市場で4割のシェアを持つ

「カネカロン」は、安全な難燃性で、柔らかい素材であるため、編んだり着色したりするのが簡易だと言います。また、より人毛に近いという優位性を持つため、自然なアレンジができると大人気です。

「カネカロン」は1957年から開発開始
1957年に、「カネカロン」の開発が始まりました。そして、米国のファッションに利用され、安定的に供給していました。「カネカロン」の海外販売率は9割と非常に高いです。

生産拠点も拡大して増産対応中
2016年にマレーシア工場稼働し、現在フル稼働状態で全てを、中国工場で生産されたものと一緒にアフリカへ出荷しているそうです。生産に力を入れたことで、世界頭髪品市場で4割のシェアを持つまでに成長しました。

独自の提案型マーケティングによるトレンド牽引

同社の強みとして、流行の後追いではなく、情報力を生かして自らトレンドのスタイルを提案していることが挙げられます。2010年より美容院の技術力を競うコンテストを主催したり、

2015年よりヘアビューティーコンテスト「Miss Kanekalon」を毎年開催したりし、積極的なセミナーやイベントの開催をしてきました。また、影響力のある地元美容院を巻き込んできました。

自ら提案を続ける
ただ現地の流行を追いかけるだけでは、素材製造から製品化までのリードタイムで、次々と変化するトレンドに間に合わない場合もあります。そこで、同社では、現在のウィッグやつけ毛における高いシェアを生かした情報力で世界的な需要や現場のニーズを把握し、消費者に影響力を持つヘアサロンを巻き込んだマーケティング活動に力を入れています。最近では、アフリカでロングヘアのスタイルが流行していますが、こちらも元は同社の提案だったといいます。

雨季でもスタイルの崩れにくい高品質商品で、現地の人の心を掴む

同社の商品は、高品質にこだわり、価格もハイエンドに設定されています。
雨季でも、スタイルが崩れにくかったり、洗浄可能であったりする商品を開発し、アフリカの事情に合わせています。また、単価を高く設定することで、各バリューチェーンの利益も確保しています。

店舗などで販売される場合は1パッケージ約1USDと競合商品の倍の値段で、サロンで美容師が編み込んで販売する場合、技術料込みで約30USD(ナイジェリア都市部月給の1割相当)と高額です。しかし、美容への投資を惜しまないアフリカの女性たちはカネカの高品質のウィッグ、つけ毛を愛用しています。