アフリカ大陸自由貿易圏 (AfCFTA)について
アフリカ大陸自由貿易圏(以降、AfCFTAと記載)とは、
アフリカ域内の物品関税の撤廃、サービス貿易や投資の促進を盛り込んだ自由貿易協定(FTA)。域内全55カ国・地域が参加した場合、人口(2018年)は12億人超、名目GDP値(2017年)の総額は2兆2,000億ドルで、世界最大規模となる。
(https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2019/0702/3851ca2c1b66321d.htmlより引用)
AfCFTA設立の大きな背景は、アフリカ域内の貿易の少なさ。2017年、欧州の域内輸出額は対全世界輸出額の63.4%、アジアは55.1%であるのに対し、アフリカはわずか16.6%でした。この域内貿易を活発化させるために、2019年5月にAfCFTAの設立協定が発効されました。
2019年7月にニジェールで開催されたAU臨時総会で発表された内容によると、27か国・地域が批准を完了し、参加を決定しています。署名はしているものの国内の批准手続きを終えていない国も27か国あり、国内の批准手続きが進められています。
AfCFTA についての記事はこちらからご覧いただけます。
新型コロナウイルスによる運用開始の延期
AfCFTAは2030年までの完全運用を目指しており、2020年7月1日から一部の運用が開始される予定でした。
しかし、新型コロナウイルスの影響によるAfCFTA運用開始の延期が決定しました。延期は最大6ヶ月で、延期後の具体的な運用開始日はアフリカ各国の状況を見て決定するとのことです。
AfCFTAの事務総長、Wamkele Mene氏は「我々は現在、誰もが予測できなかった事態に直面しており、各国政府は公衆衛生を守ることに全力を尽くさなければならない。」と述べています。
AfCFTAの大枠合意は2018年3月になされているものの、第1フェーズの運用開始に伴い、各国は新しい関税規則の詳細について合意する必要があります。
交渉は新型コロナウイルスがアフリカに蔓延する直前まで続けられていましたが、現在は完全に停止状態です。AUは、今月ヨハネスブルグで開催予定であった首脳会談も中止しました。現在も約30か国が国境を封鎖しており、今後数か月は現在の状況が継続する見込みです。
改めて認識されるAfCFTAの重要性
新型コロナウイルスによる危機は世界になかでもアフリカに、サプライチェーン再構築の重要性を認識させました。物流が止まり他大陸との貿易が困難な現在、アフリカでは物資が枯渇しており、元々脆弱な医療システムに大きな困難をもたらしています。域内でバリューチェーンを構築する必要性、製造能力強化の必要性が浮き彫りになりました。
AfCFTAを通じて、アフリカは貿易ニーズを再構成し、域内バリューチェーンの構築を目指します。Mene氏は、「グローバルサプライチェーンに依存すると、グローバルサプライチェーンに混乱が生じた際に危機にさらされる。」と述べ、域内バリューチェーンの構築の重要性を強調しています。
また、新型コロナウイルスは、サプライチェーンの課題だけでなく知的財産権に取り組む重要性も実証しました。AfCFTAによって統一的な知的財産制度が実現すれば、域内におけるジェネリック医薬品産業の設立などが実施され、今回のようなパンデミックへの対応が可能となります。
アフリカ諸国が域内貿易を活発化させ、より多くの製品を製造、加工し、交換することでより多くの知識が共有されより多くの価値を生み出すことに繋がることに期待です。
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《参照》
2020年5月17日閲覧
『Africa’s Free Trade Has Been Postponed But It Will Help Countries Rebuild After The Pandemic』
『総論:アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)設立協定が発効、運用開始に向けて前進』
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