アンゴラ|ビジネス基礎情報|アフリカ国別

2020.10.21
ANZA編集部
アンゴラ|ビジネス基礎情報|アフリカ国別


アフリカ南部に位置するアンゴラ共和国(以下、アンゴラ)は2002年に内戦が終了してから、復興の道を歩んでいます。かつては、アフリカ最大の綿花生産国で繊維業が発展していましたが、今日ではアフリカ域内2位の石油産油国として有名です。

今回はそんなアンゴラについてご紹介します。

アンゴラの基本情報


以下、アンゴラの基本情報をまとめました。

面積:124.7万平方キロメートル(日本の約3.3倍)
人口:3,182万人(2019年)
人口増加率:3.2%(前年比)
首都:ルアンダ
民族:オヴィンブンドゥ族、キンブンドゥ族、バコンゴ族など
宗教:在来宗教、カトリック、プロテスタント等
通貨:クワンザ(AOA)
 ※1円=5.81クワンザ(2020年9月)
公用語:ポルトガル語

アンゴラの経済状況


GDP:946億米ドル(2019年)
1人当たりGDP:2,973米ドル(2019年)
GDP成長率:-0.9%(前年比)

アフリカ屈指の産油国、近年中国への依存が高まる


冒頭でも触れたように、アフリカでアンゴラはナイジェリアに次ぐ産油国です。その確認可採埋蔵量はナイジェリアのおよそ0.2倍の81.6億バレルであるものの、豊富な油田が存在しています。

近年は原油生産量が減少傾向であり、このまま十分な投資が行われなければ2020年以降の生産能力は100万b/d未満に落ち込むと予想されています(2008年のピーク時の生産量は183万b/d)。

そのため、2017年に就任したロウレンソ大統領は、海外投資の促進、汚職の撲滅、事業環境整備、新エネルギー方制定に取り組みました。ロウレンソ大統領就任後、フランスのTotal(トータル)をはじめ海外企業による油田開発が進んでいましたが、コロナ禍で原油の需要が減りその価格の下落による打撃を受けていることに加え、石油の協調減産をOPECから求められています。

アンゴラの貿易は天然資源に輸出を依存し、海外からの輸入に生活必需品は頼っています。2018年の輸出総額の約85%を石油が占めているため、コロナ禍が経済へ悪影響を与えることは明らかです。実際、今年12月までパンデミックが継続する場合を考え、2020年のGDP予測はマイナス5.3%まで下方修正されています。

また同国の貿易面で注目すべき点は、中国との関係性の強さです。その輸出総額は約225億米ドル(2018年)で輸出総額の約55%を占めます。輸入面においても中国は全体の約15%を占め、最大の輸入先になっています。さらに中国に対する債務額はアフリカでトップの250億米ドル(2018年)となっています。

繊維産業の復興への歩み


産油国として注目されるアンゴラですが、実は内戦前までアフリカ最大の綿花生産国だったのです。しかし内戦によって多くの工場が破壊され、繊維産業は衰退していました。

内戦後アンゴラは、経済復興への一環として繊維工場のリハビリプロジェクトを実施しました。当時このプロジェクトに参入したのが、日本の総合商社丸紅でした。

2009年から同社は3つの繊維工場の改修から、その稼働までを手掛けていました。施設整備においては、当時最新鋭の機械が導入され、稼働後もアンゴラ人によって運営できるように、人材育成も同時に行われていました。

当時の施設整備において同社は、あえて機械による完全自動化にせず、人手も必要になる生産方式にしたことで雇用を生み出し、現地でも高い評価を受けています。

丸紅が再建を担った工場は2013年に1つめの工場が完工し、以後それぞれ完工し次第政府に引き渡されました。

政府に引き渡された後、それぞれ民営化された工場ですがその稼働率は3工場とも10%未満と低い状態にあり、アンゴラ政府はいったんこれらの工場を民間から取り上げ、再度民営化に向けて今年4月に国際公開入札を開始しました。

今回の丸紅による繊維産業のリハビリプロジェクトでは、稼働後の民営化プロセスで課題が出る形となりましたが、内戦以前に持っていた繊維産業の高い可能性を回復しつつあるのではないでしょうか。

またアフリカでの工場の運営を完全自動化にするのではなく、人手をあえてかけることで現地に歓迎される企業になれるというヒントも垣間見れたのではないでしょうか。

国内のみでサプライチェーンを


アフリカのいわゆる「資源国」では、原料となる資源を輸出して最終製品を輸入する従来の姿から、自国で加工等を行いより高い付加価値をつけるモデルへの転換を目指しています。また今回のCOVID-19の影響でグローバルレベルでのサプライチェーンが見直され、工場などの生産拠点の分散化は進んでいくとも言われています。

アフリカ諸国とビジネスを行う立場から考えると、今後は単純に原料を日本や第三国に輸入するという関係よりも、、現地に工場を構え製品を加工・流通させるとともに雇用を生むというモデルが今後さらに増えていくかもしれません。

アンゴラでは繊維工場リハビリプロジェクトに向け、綿花栽培も同時に発展しています。

それを国内で加工し、流通させるために繊維産業の必要性は将来的に増加していくでしょう。

例えば、現地に綿の衣類や鞄、タオル製品の工場を構え、現地で流通させるとともにポルトガル圏への輸出やアフリカ域内への輸出を行うという1つのビジネスモデルも出来上がるのではないでしょうか。

もちろん、まだまだアンゴラ国内は内戦当時の地雷が残存していることでインフラ整備が遅れているなど問題点もあります。そういった、アンゴラビジネスの障壁も考えながら、現地進出を検討してみてはいかがでしょうか。

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《参照》
2020年7月27日閲覧
アンゴラ基礎データ|外務省
The World Bank In Angola
The Top Ten African Countries With the Largest Chinese Debt
Angola (AGO) Exports, Imports, and Trade Partners
Scope #06 Angola | インサイト | 丸紅株式会社
アンゴラ:既存油田周辺での探鉱・開発進展
Angola spends over USD 200 million in clothes importation
Angola: impact of COVID-19 on GDP growth 2020-2021
Angola spends over USD 200 million in clothes importation

 

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