アフリカは第2の東南アジア?アフリカにおけるITの可能性とは。

2021.01.15
株式会社GAX代表取締役 秋間信人氏
アフリカは第2の東南アジア?アフリカにおけるITの可能性とは。


ANZAでは、エチオピアでオフショアAI開発を行う株式会社GAX(ギャックス)を立ち上げられた秋間信人氏に、ご自身のご活動とアフリカに対する想いについてお話を伺いました。

ーはじめに自己紹介をお願いします。

株式会社GAX代表取締役の秋間信人と申します。新卒で日興コーディアル証券(現:SMBC日興証券)に入社後、シンガポールでBBQ用食材のデリバリーサービスを立ち上げました。3年程で事業をバイアウトしてSpiral Ventures Pte. Ltd.にてファンドレイズ担当として働いた後、事業開発コンサルティングを行う株式会社La torcheの取締役に就任しました。

現在は株式会社La torcheからスピンオフしてオフショアAI開発を行う株式会社GAXを立ち上げ、エチオピアのiCog Labs(アイコグラボ)と協働し、機械学習を中心にAIを活用した事業コンサルティングを提供しています。

ー秋間さんが行っている事業についてお聞かせください。

「社会を変えようとしている挑戦者に拍手を贈る社会をつくりたい」というミッションをもとにAI開発事業とWebアプリケーション開発事業を行っています。

具体的にはエンジニア不足の日本企業に対して案件を受託し、自社のプロジェクトマネージャーやブリッジエンジニアを中心にシステム開発を行うことで顧客の課題解決を図っています。

強みとしては優秀なプロジェクトマネージャーやブリッジエンジニアが多数在籍していること、社外プロフェッショナルとのネットワークが広いので課題に合わせて優秀な人材と連携して案件を遂行できること、エチオピアのトップ層のエンジニアが所属するiCog Labsとの強固なネットワークを築けていることです。

ーiCog Labsについてもお聞きしても良いですか?

iCog Labsはエチオピアのアディスアベバを拠点としたAIカンパニーです。世界で初めて市民権を得たAIロボットの「SOPHIA(ソフィア)」の開発に携わっていたり、創業者のGetnet(ゲットネット)氏はアフリカを代表するイノベーターに選出されています。2019年にはTwitter・Square創業者のJack氏が訪問したり、世界的チョコレートメーカーのHERSHEY`Sからプロジェクトを受託したりと世界中から注目されています。

ーiCog Labsと協業することになったきっかけを教えてください

AI技術研究をしている東大・松尾研の研究生の方から紹介頂いたことがきっかけです。松尾先生及び研究生がアディスアベバのiCogを訪問しコードがしっかり書けていたという話をお聞きし、私がアディスアベバを訪問した際にミーティングを行いました。

話をする中で彼らがエチオピアにおけるテックコミュニティの中心にいる存在になっていくのではないかと感じました。また当時から米国大使館と連携(現在はJICAとも連携)し、エチオピア全土を対象とするSOLVE ITというビジネスプランコンテストを開催し優秀なエンジニア供給パイプラインがあることも、iCog Labsと連携することに後押しとなりました。

オフショア開発ビジネスの成長ドライバーは、優秀なエンジニアの安定的な供給です。東南アジアのベトナムでもこれができた会社は上場することができています。

ーエチオピアでオフショア開発をすることはどんな可能性を秘めていますか?

エチオピアはアフリカ大陸で唯一、歴史上植民地支配を受けたことがない国です。そのため、独立志向が高い気質の人が多いと言われています。このようなメンタリティはエンジニア向きとも言えます。赤道に近いところにありながらアディスアベバは標高2500mと涼しく、水も近隣他国と比べて豊富です。また平均年齢が17歳と若いこと、人口ボリュームが東アフリカで最も多く、アフリカ大陸で2番目となる1億人超であることもあります。

同国トップレベルのアディスアベバ大学はUS NEWS社が毎年発表するアフリカ大学ランキング(2020)に東アフリカの国として初めてTOP10入りしました。優秀な人材が集まってくることはオフショア開発において大きな可能性を秘めています。

またエチオピアは慢性的な外貨不足に陥っている国です。オフショア開発事業は外貨を獲得する新たな手段となり得ます。エチオピアでは外貨を獲得する手段の一つとしてコーヒー豆輸出が有名ですが、このような物を取引する事業と比較してもオフショア開発はすべてクラウドで実装することが出来き、人材コストのみで同国の経済課題を一番に解決できる可能性を秘めています。私見にはなりますが、今後は国を上げて取り組む可能性もあると思っています。

ー今後の事業展開についてお聞かせください。

1つ目は引き続きAIのアルゴリズム開発とWebアプリケーション開発を行い、当たり前ですが、受託件数を増やしていくことです。受託件数は圧倒的な信頼に繋がります。AI領域で言えば、オフショアでアルゴリズム開発を行っている会社は日本では数えるほどしかなく、この難しい課題をアフリカでやっている意味は大きいと思っています。大分ノウハウも貯まってきました。

2つ目は新規事業開発領域、研修領域での新規事業を行いたいと思っています。iCog Labsはエンジニアチームの他に共同創業者・ベティが率いる企画チーム・iCog ACCがあり、この企画チームをつかった新規事業開発支援及び研修を行えないかと思っております。例えばアフリカで新規事業を考えている日本企業に対してiCog Labsの人材を使って、仮説検証プロセスやプロトタイプ実装、テストセールの実施とエチオピアでの新規事業開発支援を提案できればと思っています。コロナであってもフルリモートでの実施はできると考えています。

3つ目はスタートアップスタジオ事業です。エチオピア、隣国ケニアのシード期のスタートアップに対して、エンジニアリソースと資金を供給し、GAXとiCog Labと連携によりそのスタートアップをグロースさせたいと考えています。またその間において日本企業との協業可能性、出資可能性も模索できたらと計画しています。

ーアフリカで事業を行うことの魅力をお聞かせください。

何も揃っていないところから新しいものを生み出すことができるのはアフリカの魅力だと思います。前例が無いというところですね。成長の著しいインドや東南アジアは一部産業ではアフリカより人件費が低く質の高い製品を作ることのできる生産拠点となっています。そのような国々と比較すると、本当にアフリカは何も無い・・・難しい状況です。勿論、そのような環境で新しいものを生み出すのは簡単ではないですが、ビジネスとして成立する条件を見つけていくことで大きなブレイクスルーとなりえると考えています。

ーアフリカ進出するにあたってアドバイスをお願いします!

オフショア開発の事業を行っている立場から申し上げるとGAFAがアフリカ市場をどのように見ているかというのは意識しています。

私は2011年〜2015年までシンガポールに住み、2015年〜2018年まで東南アジア/インドに投資するVCに在籍し黎明期の東南アジアを見てきました。その前提に立つと、アフリカは東南アジアの背中を追っていると仮説だてています。

GoogleとTEMASEK(シンガポール政府の投資会社)が毎年発表しているe-Conomy SEA 2020というレポートがあります。このレポートはアフリカの未来が書いてあると思い、毎年熟読しています。ASEAN市場でのEコマース、オンラインゲーム、オンライントラベル(予約サイト)などのインターネットサービスの成長の経緯をたどるといくつかの要件がサービス普及のタイミングと連動していることがわかります。ベースとしてあるのはBoBではなくBtoCであるという点です。アフリカもBtoCから産業が勃興してくると期待しています。Eコマースが立ち上がり、物を運ぶための物流(Logitech)、購入のための決済(Fintech)、購入させるための広告(アドテク)、その上でのオンラインゲーム、トラベル(Travel Tech)といった様にです。

2011年私は単身シンガポールに渡りました。当時はASEANという地域共同体ができて、EUのようになると言われましたが、実際には起きず、人口規模が大きいインドネシアを中心にユニコーンが生まれました。また各国のレギュレーションに大きく影響をうけるかたちでユニコーンが育った経緯があります。

一つの成長要件として4G普及率があります。例えばインドネシアでの4G普及率は2014年:10.03%、2015年:22%、2016年:53%、2017年:85%、2018年:92%、2019年:95%です。つまりインドネシア政府はわずか5年で10%から95%まで4Gを普及させたのです。参考までにユニコーンのGojekが創業年2010年、Androidアプリをリリースしたのは2015年です。4Gの普及が同社の成長の背中を押しています。

アフリカでこのような国が一つあります。それはアフリカ大陸最大の人口2億人を抱えるナイジェリアです。4G普及率で見ていくと2016年:11.04%、2017年:14.17%、2018年:17.3%。2019年45.20%と、わずか3年で11.04%から45.20%になっています。インドネシアのような伸び方をしているんです。

質問の回答に戻りますが、東南アジアのスタートアップ勃興した歴史研究をして適切なタイミングでアフリカには進出された方がいいと僕は考えています。適切なタイミングが分かれば苦労しないんですが(苦笑)。ただ、勉強しておいて損はないと思います。

コロナで大変なこの時期、AAIC社もユニコーンの卵に投資すべくに一宮さんがナイジェリア・ラゴスに赴任されたとお聞きし、さすがの投資判断だなと聞いてて思いました。一宮さん、ユニコーン候補への投資、本当に期待しています!!!また話をお伺いしたいです。

ー本日はありがとうございました!

今回のインタビューからは、秋間氏が自らの現地での経験をもとに東南アジアの成長を倣ってアフリカでの事業を展開している印象を受けました。これからアフリカ社会でもDX化が進んでいく中で、”made in/by Africa”のソフトウェアなどのプロダクトのニーズが高まる可能性があります。特にAI、ビッグデータという領域ではより現場に近い視点でサービスを設計していくことが重要となります。当然、日本・外資企業もアフリカ市場に参入していく上で検討しなければならないことになり、GAX社やiCog Labsなどのパートナーの必要性が高まるのではないかと感じました。

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