日本語で解説『2021年、注目すべきアフリカスタートアップ12選』by Disrupt Africa

2021.03.31
ANZA編集部
日本語で解説『2021年、注目すべきアフリカスタートアップ12選』by Disrupt Africa


今回は、前回お届けした「日本語で解説 『2020年のアフリカスタートアップを振り返る5つの視点』by Disrupt Africa」に引き続き、Disrupt Africaが 12 African startups to watch in 2021と題しリリースしたこちらの記事を日本語で要約、解説を致します。

「2021年注目すべきアフリカスタートアップはどこなのか?」

そんな読者の疑問に答える記事となっています。

北アフリカ

Thndr

まず紹介するのはThndrというインベストテック(investtech)という、投資プラットフォームを運営するエジプトのスタートアップです。同社は2020年にサービスを開始したばかりにもかかわらず、既にアフリカ投資において大きなインパクトを与えており、Googl Play 上でのアプリのインストール数は10万を超えています。

同社が提供する投資のプラットフォームでは、完全に手数料を無料にし、株式・債券・ファンドへの投資を容易にしています。

2019年にプレ・シードで資金調達をした同社は、翌年の夏に行われた、「Y Combinator Summer 2020」に登壇しました。同イベントを主催するY Combinatorは、DropboxやAirBnBといった数多くの金の卵に投資を行った、シリコンバレーで有名なベンチャーキャピタルです。

またThndrはエジプト金融規制当局が新しく発行した仲介業務のライセンスを取得しています。

《解説》
同社ホームページでは、投資に関する基礎知識を解説しており、投資初心者にも優しいサイト運営も行なっています。

Ordera

続いて紹介するのは、同じくエジプト生まれの食品デリバリーサービスを首都カイロで行う、Orderaです。同社は、「Saudi Arabia-based accelerator programme」に参加を果たしたことでも注目を浴びた、2019年に立ち上げられた企業です。

2020年半ばには、10万ドル以上の資金調達を達成し、これから首都圏外やサウジアラビアへのサービスを拡大していく狙いがあるようです。

昨年はコロナ禍でフードデリバリーの需要が拡大したこともあり、同社のユーザ数、注文数、そして提携レストランの数は増加しており、今年もサービスの拡大が予想されます。

《解説》
食品デリバリーサービスとありますが、実際は事前注文をアプリで行い、テイクアウトしたい商品を待たずに、すぐに受け取ることができる仕組みのようです。列に並ぶことなくソーシャルディスタンスを確保しながら注文を受け取れるのはコロナ対応のビジネスモデルとも言えるかと思います。

またこのプラットフォームを通じて独自のポイントサービスやクーポンの配布も行なっているようです。

Onboard

北アフリカで最後に紹介するのはチュニジアのベンチャー企業、Onboardです。同社はメーカー向けに、顧客体験管理(Customer Experience Managemen : CEM)を変革するプラットフォームSaaSを、3Dマニュアルを用いて提供しています。また5月には「Flat6Labs Tunis accelerator programme」に選ばれ、6.5万ドルの資金調達を果たしました。さらに、Kepple Africa Ventureと二人の投資家からも17.5万ドルの資金調達を果たしています。

昨年には新たなバージョンのプラットフォームのリリースに加え、欧州へのサービス拡大の発表もありました。2021年はアフリカ発のベンチャー企業が欧州で活躍する姿がみられるかもしれません。

《解説》
同社のサービスは、紙の組み立て説明書だけでは組み立てが難しい、ドローンや家具の組み立てで活躍が期待されています。近年、家具の組み立て動画がYoutube上にも多く見受けられ、購入した商品の組み立てに苦労している方は多くいます。この解決策に自社で説明動画を作成するか、同社が提供する3D組み立て説明書を利用するか、一考してみるのもいいのではないでしょうか。

3Dマニュアルの作成でも同社の技術者からもサポートが得られるようです。

東アフリカ

MarketForce

東アフリカの注目すべきスタートアップ、初めはスタートアップの調達額が同地域1位のケニアのMarketForceです。同社はリテールテック(retail-tech)分野で、製品のブランドに関する消費者の反応やラストマイル物流など今までメーカーがなかなか入手することのできなかった情報ギャップを埋めるためのプラットフォーム運営をしています。

昨年には、Disrupt Africaが主催するアフリカスタートアップサミットに参加するスタートアップ11社の中に選ばれています。さらに5月には35万ドルの資金調達に成功し、昨夏には、Y Combinator Summer 2020にも、サブサハラ以南のアフリカ企業で唯一選出され、15万ドルの資金調達に成功しています。

12月にはB2BのECプラットフォームを導入しており、2021年にはサービスを新たな地域に拡大していく予定です。

《解説》
同社のサービスは主に、販売代理店が行う営業活動(注文、配達、販売など)の記録をアプリを使って蓄積することができます。これによりメーカーは消費者に一番近い販売代理店からのデーターを効率よく集め、マーケティングで利用することができます。

Eversend

次に紹介するのは、ウガンダのフィンテック(fintech)のスタートアップ、Eversendです。同社はここ数年、海外送金を提供する金融プロットフォームを提供し、勢いを伸ばしており、昨年クラウドファンディングで注目を集めた1つです。Seedrsキャンペーンのクラウドファンディングでは、目標調達額の55万ユーロを超える、89.7万ユーロを確保しました。

同社は過去19ヶ月間で、「Westerwelle Young Founders Programme」、「Google Launchpad Africa accelerator」、「CATAPULT : Inclusion Africa programme」に参加を果たしています。さらに2019年末に行われた「Helsinki-based Slush startup competition」では、準備に100万ドルの追加の資金調達をした上で、見事優勝を果たしています。

《解説》
同社が提供するサービスはUSSDを通じて行われているため、インターネットのアクセスなしで携帯から利用することができます。またモバイルマネーや銀行口座への送金に加え、バーチャルデビットカードも発行でき、オンラインショッピングの普及にも貢献していくのではないでしょうか。

Amitruck

東アフリカ、最後に紹介するのはケニアでP2Pトラッキングロジスティクス市場を立ち上げたスタートアップ、Amitruckです。P2Pトラッキングロジスティクスとは、国内の困難で非効率な道路輸送ネットワークの改善を目的とし、輸送業者と顧客を直接繋ぎ、中間業者の介入をなくすことで、価格競争をより高める仕組みのことです。同社はモバイルアプリを提供し、輸送業者と顧客を直接繋いでいます。

同社はサービス開始当初から凄まじい成長を見せており、現在ではモバイルアプリの1万回以上のダウンロードを達成しており、収益も過去1年間で3倍に成長しています。

また「Africa Transformative Mobility Accelerator」といった、多くのスタートアップアクセラレーターからサポートを受けており、Green Tec Capital Partnersからも資金調達と会社設立のサポートを受けています。

《解説》
アフリカにおける物流業界の改善には様々な企業が参入しています。同社が提供するサービスはUberのように、近場で待機しているトラック運転手を探すことができます。Uberと違い、トラック運転手のドライバー経験や費用が示されたプロフィールから自身にあったドライバーを選択できるようになっています。同社サービスの利用者にはアフリカのECを牽引するJumiaもおり、そのサービスに期待を寄せる企業も多いのではないでしょうか。弊社、AAICが出資しているKobo360sendyの2社、Loriなども同様なサービスを提供しており、現在、それらのサービスに大きな違いは見られませんが、今後独自のサービスを構築し、他社との違いを見出せるかも事業拡大の鍵となるかも知れません。

西アフリカ

Gozem

西アフリカでまず紹介するのはトーゴ発のスタートアップ、Gozemです。同社は2018年にサービスを開始して以降、西アフリカでの包摂的なスーパーアプリの提供を目指しています。サービス開始時はバイクタクシーの配車サービスのみでしたが、四輪・三輪タクシーまでサービスを広げ、隣国ベナンにも進出しています。

さらにECのフードデリバリーにも挑戦しており、昨年10月にはトーゴにあるフードデリバリーアプリのリーディングカンパニー、Delivroumを買収しています。

《解説》
同社は弊社(AAIC)グループの投資ファンド、Africa Healthcare Master Fundから出資をしています。GAFAやUberなどグローバルな企業が参入を躊躇う西アフリカのフランス語圏の比較的小さな国々をターゲットに東南アジアで爆発的な成長をしたGrabやGojekのビジネスモデルを参考にし、ライドシェアからビジネスを開始し金融、EC、医療など様々なサービスを加えスーパーアプリを構築するというのが同社の狙いです。

Vybe

続いて紹介するのは、アフリカでもっともスタートアップが熱い国ナイジェリアで誕生したVybeです。同社は、2019年からアフリカ人によるアフリカ人向けのマッチングアプリのリリースを行なっています。

アフリカの人々は世界トップ10に入るマッチングアプリの内、40%以下しか利用できる状況にありません。しかしそんなアフリカでもマッチングアプリ市場は熱く、65カ国で1万人を超えるユーザーが同プラットフォームに参加しています。現在は英語とフランス語に対応して、サービスが行われています。

同社は2020年のDisrupt Africa’s Petch Liveに選出された、12のスタートアップのうちの1つでした。イベントを開催したDisrupt Africaも同社の活躍に期待を寄せています。

《解説》
同社のサービスでは、日本で提供されているマッチングアプリのように、プロフィールを元に「いいね」を送る仕組みになっています。またアプリを開いてスマートフォンを振ると、同じ時間帯にスマートフォンを振った相手とマッチングする独自の機能も搭載しており、偶然の出会いもマッチングアプリで巡り会える工夫もされています。

WellaHealth

西アフリカ、最後に紹介するスタートアップはeヘルス(e-health)からフィンテック(fintech)へと事業転換を図り、勢いがあるWellHealthです。同社は2015年にeヘルスサービスをナイジェリアで展開し、薬局の自動化を目指していました。しかし現在では、薬局のネットワークをベースにした月額1ドルから始められるマラリアに特化した医療保険などのサービスを展開していますいます。

フィンテックに舵をきった同社は昨年3月までに、「Founders Factory Africa’s Venture Scale programme」への参加企業に選ばれました。さらに7月にはフィンテック分野への投資をグローバルに行うCatalyst Fundから資金、ビジネスサポートが提供されるアフリカスタートアップ3社の中に選ばれました。

《解説》
現在、1,356以上の薬局ネットワークを持つ同社は、個人・家族向け、法人向けの医療保険を提供しています。ナイジェリアは2015年にNHIS(National Health Insurance Scheme)を本格的に初め、健康保険の普及に力を入れています。しかし同国の国民健康保険の加入率はわずか4%(2016年)で、そのほとんどが政府系の職についている人です。

現在では同社のように収入面に不安がある人々でも加入しやすい、民間の保険サービスが広がっています。

南アフリカ

reOS

南アフリカで最初に紹介するスタートアップは、プロプテック(proptech)分野で活躍が期待されるreOSです。同社はエンジェル投資家のサポートを受けながら、3年間のパイプラインを終え、2020年末に一般向けにサービスを開始しました。

同社のサービスは、不動産オーナーに対し、家賃請求書の発行を自動化し、さらに集金、支払い、口座管理といったマネーマネジメントを1つのアプリ上で効率化します。

まだまだ走り始めたばかりのreOSですが、既に南アフリカ国内の主要な銀行とは提携を結んでおり、2021年はその歩みに期待が持てます。

《解説》
アフリカでは不動産管理を不動産屋ではなく個人が行っていることが多くあります。都市部のアパート建設が進む中、管理が今まで以上に複雑化することが予想されます。不動産関連のサービスの需要は都市化ともに増加するのではないでしょうか。

PremierCredit

続いて紹介するのはザンビアのPremierCreditです。同社は2019年からマイクロレンディングのプラットフォームを提供しており、起業家や小規模のトレーダーへの貸付を行なっています。同社の貸付サービスは特に女性をターゲットにしている点も特徴の一つです。

既にザンビア、ジンバブエで地方銀行と提携しサービスを展開しており、自転車やスマートフォン、ソーラー機器の提供もプリペイド式で行なっています。

昨年12月にはEnygma Venturesから65万ドルの資金調達を行い、南部アフリカ開発共同体(SADC)地域へのさらなる拡大を目指しています。

女性ビジネスをサポートするPremierCreditは、社会的貢献度も高く2021年の成長に期待です。

《解説》
途上国にはマイクロクレジットやマイクロレンディングを行なっている企業や銀行が増加傾向にあります。同社はその中でも女性をターゲットにしていることで、他社との差別化を図ろうとしているようです。アフリカスタートアップでも、ナイジェリアのLifebankのように女性起業家の活躍も目にします。今後アフリカの女性達がアフリカを盛り上げていくのではないでしょうか。

The Gradient Boost

最後に紹介する南アフリカ発のエドテック(ed-tech)分野のスタートアップ、The Gradient Boostは昨年5月にはデータサイエンスのオンラインスクールを開講しました。オンラインスクールではデータサイエンスの単位と経験豊富なメンターからガイダンスを組み合わせることで、より効率的なデジタル学習を促進しています。

プログラムの早期卒業生の中には、SparkleやSpacepen、Investecといった企業にも採用された卒業生もいます。さらにシードラウンドの資金調達後の10月には、ナイジェリアにサービスを拡大しました。

《解説》
これまで紹介してきたスタートアップのように、多くの会社が資金調達を行い事業を拡大させていくなかで、ITエンジニアの人材の需要が高まります。製造業の生産拠点になるのが難しい内陸国の国々ではこのITエンジニアの人材育成が新たな産業の振興につながると見ているところもあり、国際機関などと共同でプロジェクトなども実施しています。今後は求められる技術がさらに高度化、多様化していく中で様々なニーズに応える教育プラットフォームが求められます。

以上、Disrupt Africaが2021年に注目をするアフリカスタートアップを紹介してきました。

昨年はコロナ禍で、スタートアップ企業の資金調達額はアフリカ全体としては減少したと言われているものの、資金調達件数は増加しています。ビジネスチャンスを見つけた起業家たちの積極的な動きが、今年もアフリカで見られるのではないでしょうか。

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《参照》
2021年3月31日閲覧
12 African startups to watch in 2021

 

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