アフリカの最北端に位置するチュニジア共和国(以下、チュニジア)。植民地時代にはフランスによって、地中海リゾートの開発が行われ、リゾート地としても知られています。
今回はそんなチュニジアがどんな国なのか、詳しく見ていきたいと思います。
チュニジアの基本情報
以下、チュニジアの基本情報をまとめました。
面積:163,610平方キロメートル(日本の約5分の2)
人口:1,157万人(2018年)
人口増加率:1.1%(前年比)
首都:チュニス
民族:アラブ人(98%)、その他(2%)
宗教:イスラム教スンニ派
通貨:チュニジア・ディナール(TND)※1TND=36.6059円(2020年5月)
公用語:アラビア語(フランス語も国民の間で広く用いられています。))
続いて経済面です。
名目GDP:398億米ドル(2018年)
1人当たりGDP:3,447米ドル(2018年)
GDP成長率:2.5%(2018)
チュニジアは欧州との距離が近いことから、2017年では欧州への輸出が全体の76%にも及びます。特にイタリア、フランス、ドイツとの貿易が盛んに行われていますが一方で、アフリカ各国、日本との貿易はあまり盛んではありません。
再生可能エネルギー分野の投資拡大
チュニジアはそのほかに、再生可能エネルギー分野の投資が盛んに行われています。
1999年以前は、原油や天然ガスといった化石燃料を多く保有するエネルギー輸出国でした。しかし近年の経済成長に伴いエネルギーの需要は増加し、1990年から2012年の間でその消費量は倍増しました。
そのため相対的に化石燃料の供給量は増加して入るものの、需要の増加には間に合わず、2015年にはエネルギー自給率が60%まで減少し、エネルギー輸入国になりました。
現在依然としてエネルギー供給は化石燃料に依存していますが、風力発電といった再生エネルギーの供給は少しずつ増加している傾向にあります。
現在では、全エネルギー需要の20%を再生可能エネルギーで賄うというEUの目標も後押しし、欧州の様々な企業が、太陽エネルギー発電、風力発電といった再生可能エネルギー分野の投資を積極的に行い、同時に現地の雇用も創出しています。
またエネルギー分野の開発に伴い、フランス電力(EDF)やドイツのシーメンス、スペインのアペンゴアなどが参加し、チュニジアから欧州各国に電気を送る送電システムのインフラの開発も同時に進んでいます。
日本とチュニジアの関係
欧州とのつながりが強いチュニジアですが、筑波大学発のアレナビオの現地オリーブ栽培の開発協力事業や、マツダやHondaのショールーム開設など、日本からも16の企業が進出しています。
関連記事:筑波大学発ベンチャーのアレナビオがチュニジア進出
2011年に中東・北アフリカで巻き起こった民主化運動(「アラブの春」)のきっかけとも言われているチュニジアのジャスミン革命では、民主的プロセスを踏み政権移行に成功しました。
新たなスタートに成功したかと思われたチュニジアですが、2015年に日本人3名を含む22人が犠牲になった、イスラム過激派によるテロが起き、日本政府がチュニジア全土の危険情報をレベル2(不要不急の渡航は禁止)に引き上げる事態になりました。各国でも同様な措置がとられ、観光業は一時衰退しました。
ただ現在では首都チュニスを含む一部地域でレベル1に引き下げられており、以前と比較し渡航しやすくなっています。チュニジアに進出している日本の企業数も少なく、ODAを介した国際協力寄りな進出が目立ちます。
今後は南アフリカ共和国がアフリカ南部の拠点、ケニアが東部アフリカの拠点として重宝されているように、北アフリカ周辺に進出する際の拠点として価値が見出され、現地に進出していく日本企業も増えていくのではないでしょうか。
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《参照》
2020年6月17日閲覧
World Bank database
『チュニジア基礎データ』
『Tunisia’s Top 10 Exports』
『チュニジアの経済・貿易・投資』
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