アフリカのヘルスケアテック企業の全体像とは!?

2021/10/20


プレシードからシリーズDまで多くのヘルスケアテック企業が台頭しており、2015年から100以上の企業が資金調達を実施するなど、今アフリカビジネスの中でも注目の業界となっています。

今回は「Improving Healthcare Service Provision in Africa」と題したレポートを紹介します。

このレポートはBriter Bridgesというアフリカのビジネスや投資関連に関する調査会社がアフリカ内のヘルスケアテック業界の全体像についてまとめています。また弊社の一宮がレポート作成の協力者として関わっています。

レポートでは下記構成になっています。

・イントロダクション&資金調達の現状
・Healthcare Management
・Delivering remote healthcare services
・Evaluating Africa’s medical supply chains
・Exploring healthcare financing and insurance
・まとめ

これらの構成で、①各業種のアクターの数②顧客のタイプ③ビジネスモデル④パートナーシップ⑤課題と解決策の5つの視点からヘルスケアテック市場について分析しています。

各チャプターの概要紹介


イントロダクション&資金調達の現状


公衆衛生に関する不十分な支出と人口あたりの医師数の少なさによって、莫大な人口を抱えているアフリカにおけるヘルスケアのニーズを満たすためのインフラや設備が整っていません。アフリカ各国の政府は税収をヘルスケア分野にあてる余裕がないためです。その結果としてヘルスケアに関する予算が世界平均だとGDPの約10%であるのに対し、アフリカの平均はGDPの約5%と下回っています。しかしソフトウェアやハードウェアの低価格化により新しいビジネスが生まれています。エジプトの医師予約サービススタートアップのVezeeta、ガーナの電子薬局スタートアップのmPharma、ナイジェリアのバイオテックスタートアップの54Gene、ナイジェリアの電子カルテのHelium Healthなどは民間企業から資金調達を成功させ、アフリカにおけるヘルスケア業界の課題に取り組んでいます。

Healthcare Management

メモ書きでの顧客情報管理だと書類の紛失、判読できないメモによる漏れやミスの発生、物理的な保管スペースの制限などのコストがかかります。そこでデジタルヘルス管理システムが登場し、Helium Healthなどが電子カルテなどの顧客情報の管理から決済手段のデジタル化に取り組んでいます。また診療予約管理プラットフォームも台頭しているものの、ユーザーがデジタル化に対応できていないため、病院と連携してプラットフォームの普及を行っていく必要があります。

Delivering remote healthcare services

COVID-19の流行が始まってから、信頼できる医療従事者から、必要な身体的・精神的ケアを患者が自宅にいながらにして受けることが求められるようになっています。モバイルクリニックや遠隔医療の登場により、どんな地域にいても自分の健康記録を保存し、観察することが可能となり、治安が悪い地域でも遠隔医療に必要な機器があれば、いつでも医師からの診察を受けられます。しかし所得の低さや保険加入率の低さから医療費を払える人が少ないために収益を上げにくいという課題があるようです。そのため、個人だけではなく顧客データを保険会社に提供し収益を得るなどといった収益モデルをつくる必要があります。

Evaluating Africa’s medical supply chains

アフリカの低所得国では、在庫管理の不備、流通の非効率、資金不足など、医薬品のサプライチェーンに課題を抱えています。そんな中、ナイジェリアのField Intelligence社、ケニアのMaisha Meds社、ガーナのRedbird Health社などの企業が、医療における供給不足の解消に取り組んでいます。Redbird Health社は、ガーナ国内の薬局と提携し、迅速に収集されたマクロヘルスデータの記録、整理、分析をベースにしたSaaSモデルを運営しています。
また医薬品は半分以上を輸入に依存しており、卸売業者や小売業者が媒介することで購入コストが上昇してしまう課題もあります。そこでe-ファーマシーが登場し、ECモデルを用いて、医薬品を入手するための代替手段として普及しています。医療サプライチェーンをデジタル化していくことがアフリカ大陸全体の医療サービスの向上につながります。

Exploring healthcare financing and insurance

アフリカでの金融包摂を拡大し、医療サービスへのアクセスを向上させるために医療費をカバーするマイクロインシュランス(小規模保険)の利用を可能にするデジタル商品を開発しています。低所得者は公的医療に依存しており、将来的な支出のために貯蓄する必要があります。南アフリカのOyi Medical Card、ケニアのソーシャルイノベーションM-TIBAなど、デジタルウォレットに取り組む企業は低所得者でも利用できるサービスを提供しています。

まとめ

ヘルステック企業は、公共のヘルスケアインフラを十分に機能させるための万能薬とは言えませんが、医療へのアクセスを向上させる可能性があります。アフリカ諸国がヘルスケアにおけるデジタルソリューションをさらに加速するための環境を整えることが重要となってくるでしょう。そのためには遠隔医療・診断会社が医療費助成プラットフォームや保険会社と提携することや、医療サプライチェーン企業が、薬局、病院、政府機関と提携して偽造品対策を中心に、配送の効率化や製品の品質向上に取り組むことができるパートナーシップの構築が極めて重要です。

レポートの詳細はこちらからご覧になれます。

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