【ANZAインターン中村のザンビア日記 ②】アフリカ人がアフリカネイションズカップにかける想い・前編(黒魔術も!?)

2022.07.04
ANZA編集部
【ANZAインターン中村のザンビア日記 ②】アフリカ人がアフリカネイションズカップにかける想い・前編(黒魔術も!?)

 

 ザンビア留学中の中村です。6月中旬にアフリカネイションズカップ(AFCON)の予選、ザンビア対コモロが開催され、ナショナル・ヒーローズ・スタジアムに応援に行ってきました!

 アフリカNo.1を決めるアフリカネイションズカップはアフリカのサッカーファンが最も熱くなる戦いです。前編、後編に分けて、アフリカネイションズカップの歴史や黒魔術、サポーターの応援の様子など、現場からレポートします。

 

アフリカネイションズカップの歴史(概要)

 アフリカNo.1 を決める、アフリカネイションズカップはアフリカサッカー連盟主催のアフリカでもっとも権威のあるサッカーの大会です。

 初開催の1957年はわずか3か国の参加でしたが、2019年には本大会出場国数が24か国まで増えています。

 1968年から2012年までは2年に1度偶数年に開催されていましたが、2013年からは奇数の年に開催年が変更になり、優勝国はエジプトが7回の最多優勝国で、直近の2021年の大会ではセネガルが初優勝しました。

次世代のスタープレイヤー発掘の大会

 アフリカ人選手の攻撃的でエンターテイメント性のあるプレースタイルがアフリカ人サポーターの想像をかきたて、1950年代から1960年代にかけてヨーロッパのスカウトやエージェント、ジャーナリストから注目を集め、今ではアフリカネイションズカップは才能のあるアフリカ人選手の発掘の場にもなっています

 特に1972年から1987年に亡くなるまでアフリカサッカー連盟の会長を務めていたエチオピア人のイドネカチェフ・テセマの時に国際的な注目を集めるようになったと言われています。

政治的な影響力もある?!アフリカのサッカー事情

 アフリカネイションズカップはスター選手の発掘の場だけでなく、政府主導で自国の政治的な価値観や思想を表現する場にもなっています。他国の統治下から独立したアフリカの政府の多くは、植民地時代からの制度を引き継ぎ、自国のアイデンティティーを確立し、国民の求心力を高めることに苦戦していました。そこで、アフリカの政府の多くは、多様な国民に誇りを持たせ、結束力を高めるために自国のサッカー代表チームに多大な経済的、政治的な資金投資したと言われています。

 1996年に優勝した南アフリカの多様な人種が混ざった代表チームは、アパルトヘイトによってもたらされた社会的、政治的格差をサッカーが埋めていけることを印象付け、サッカーを通じて国民が結束力を高めた代表例として、今でも語り継がれています。

 

アフリカネイションズカップと黒魔術

 

アフリカ人には馴染み深い黒魔術の歴史

 アフリカのサッカーでは黒魔術が使われていると言われることがしばしばあり、そうした噂を聞かれたことがある方もいるのではないでしょうか。

 日本人にとってあまり馴染みのない黒魔術ですが、古くからアフリカではさまざまな黒魔術が使われてきました。例えば、カメルーンでは故人の目には見えない力を使うため、重要な試合の前に墓地でキャンプを行っている選手がたくさんいました。

      呪術師は、選手が暗闇の中で物音がしたり触られたと感じたりしても、幽霊が試合にプラスに働く超能力を使っている可能性があるから恐れる必要はないと言っていたと言います。

 また、カメルーンにいる占い師として生計を立てている人は、「ヨーロッパ人はパフォーマンスを向上するために薬を使う。アフリカ人は薬を入手することが(まだ金銭的に)困難だけど、非科学的な第三の目や伝統的な調薬を持っている」と自慢しています。

試合中もたびたび使用される黒魔術

 2020年のアフリカネイションズカップのカメルーン対ジンバブエの開幕戦では、グランドのセンターサークル付近にコウモリの死骸が落ちておりジンバブエの指揮官であるロガルシッチが写真とともにカメルーンの黒魔術の使用を非難しました。

 また、今年アフリカネイションズカップ初優勝を果たしたセネガル代表も2017年にUー20アフリカネイションズカップの準決勝と決勝で黒魔術の使用が疑われています。

 準決勝では、セネガル代表の選手がリストバンドの中に入れてある「何か」を外すように審判に警告されました。これが黒魔術と疑われ、相手方のギニア人選手の反感を買い、審判に怒りをぶつける始末になりました。。。

 対ザンビアの決勝戦では、セネガルの選手が靴下から「何か」を取り出しザンビア代表のゴールに投げました。結果はザンビア代表が2対0で勝利しましたが、ザンビア人の友人によると試合の結果よりも黒魔術が試合中に使われたことが翌日あちこちで話題になったみたいです。

 後半に続きます・・・。

 

【コラム】ザンビアの食文化 〜チカンダ〜

 最近はチカンダと呼ばれる食べ物をよく食べます。チカンダはチカンダと呼ばれる野菜とピーナッツを混ぜてつくられており、唐辛子などを混ぜて食べます。道端やタウンと呼ばれるマーケットなどで売っており、100円以下で買うことができます。外国の方々からはチカンダの見た目からよくアフリカのソーセージだと言われているみたいです。初めて食べたときは食べたことのような味で困惑しましたが、食べる回数を重ねるごとにどんどんおいしく感じる中毒性のあるお菓子です。味は芋に近く、こんにゃくのような触感です。

こんにゃくに似ているチカンダ ©️AAIC

 

 

 

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出典:

AFRICA TOP SPORTS. “CAF INVESTIGATION OVER BLACK MAGIC ACCUSATION AGAINST CHAN 2020 HOST COUNTRY”. AFRICA TOP SPORTS. 2021年1月20日. https://en.africatopsports.com/2021/01/20/caf-investigation-over-black-magic-accusation-against-chan-2020-host-country/, (2022年6月22日)

BBC. “Magic fails to help Cameroon’s footballers”. BBC. 2012年1月19日. https://www.bbc.com/news/world-africa-16471695, (2022年6月22日)

The Editors of Encyclopaedia Britannica. “Africa Cup of Nations football competition”. Britannica. 2021年6月17日. https://www.britannica.com/sports/African-Cup-of-Nations, (2022年6月22日)

Zambian Wachdog. “Zambia wins under 20 Afcon as they neutralize Senegalese ‘juju’”. Zambian Watchdog. 2017年3月12日 20:08.

https://www.zambiawatchdog.com/zambia-wins-under-20-afcon-as-they-neutralise-senegalese-juju/, (2022年6月22日)

 

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