ナイジェリアで注目の日本企業と現地スタートアップまとめ!

2019/09/10

アフリカ最大の経済大国、ナイジェリアでは、日本企業の進出数も現地スタートアップの数も年々増加しています。

2018年10月時点、ナイジェリアにおける在留邦人数はおよそ130人と、アフリカ諸国と比較しても決して多くはありません。しかし、アフリカ最大の人口とGDPに可能性を感じ、進出を検討する日本企業の数は増加しています。今回は、既にリリースした日本企業進出事例の記事の中からナイジェリア進出に関する事例を4つ取り上げました。

現地スタートアップにおいては、特にフィンテック分野における投資の勢いが止まりません。2018年のDisrupt AfricaのStartup Funding Reportによると、ナイジェリアのスタートアップは2018年にアフリカ大陸の投資額の大半を占め、58のスタートアップがさまざまなセクターから合計9490万ドルを調達したそうです。今回は、ナイジェリアのメディアサイト、Pulseによる2019年に注目すべきナイジェリア発、スタートアップ5社を取り上げました。

日本企業進出事例


1、ヤマハ発動機


1960年代にアフリカに進出した同社は、BOPビジネスの展開に力を入れています。ブランド認知を向上させて将来の二輪車・船外機ビジネスにつなげる狙いがあるからです。同社は現在、主に①クリーンウォーター装置による水浄化ビジネス、②点滴灌漑システムによる農業支援活動、③漁業関連製品の販売と教育による支援活動の3種類のBOPビジネスを展開しています。

また、二輪事業においては、アフリカ進出当初はBtoGモデル(警察官用バイクの一括提供など)で事業を立上げましたが、現在は各国中間層以上をターゲットに、アフリカ52カ国に代理店網を構築して販売しています。従来は、製品はインドからの輸出で対応していましたが、2015年にナイジェリアでも生産を開始しました。

さらに、投資や協業にも力を入れており、2Cの二輪タクシーアプリ事業の他、2Bのデリバリー・技術提供も行うナイジェリア発の二輪配車プラットフォーマーMax.ng(Metro Africa Express)への出資、二輪車による荷物の配送サービスを手掛けるクーリエ・メイトとの協業、東アフリカで最大の小売店網プラットフォーム構築を目指す東京大学発のスタートアップ企業WASSHA(ワッシャ)株式会社と小売店網プラットフォームを活用した物流事業の実証実験の開始など、アフリカでの事業の幅を広げています。

ANZA記事:https://anza-africa.com/blog/688

2、味の素


同社は、1980年代にアフリカにて、うま味調味料『味の素』の普及活動を開始しました。1991年にナイジェリア、2011年にエジプト、2012年にはコートジボワールに法人を設立し、現地の従業員とともに、うま味調味料『味の素』や風味調味料の販売活動を行っています。

「誰でも買える」を実現するため、一物一価を採用し、一袋につき各国の1コイン価格(ナイジェリア:5ナイラ=約1.5円、エジプト:0.5エジプトポンド=約3円)で販売しており、小分けで購入できるようにすることで、低所得の人たちにも手が届く仕組みを構築しています。さらに、「現地に合わせた味覚」を大切にしており、エジプトでは2017年に新商品を開発しました。米料理用に味の素をベースにしたスパイスミックスを現地生産メーカーに委託し、生産しています。現地の味付けに合わせたことで、多くの人に好まれています。

2016年にはアフリカ36カ国で展開している加工食品メーカー、プロマシドール社に、株式の33.33%にあたる約558億円を出資、2017年には『味の素ファンデーション』を設立し、世界の栄養改善に向けて活動しています。味の素株式会社の幅広い製品開発力と生産技術力を組み合わせることにより、アフリカ全域においての事業基盤強化を目指しています。

ANZA記事:https://anza-africa.com/blog/858

3、大原薬品工業


2019年4月4日にナイジェリア内資最大の製薬会社FidsonHealthcare Plc.(以後、Fidson)の持ち株比率約20%の株式を取得し、戦略的パートナーシップを結びました。両社が事業を展開する地域の人々が、最新のヘルスケア製品ならびにヘルスケアサービスにアクセスできることを目指し、資本・業務提携をしています。

昨年8月末に開催されたTICAD7(アフリカ開発会議)のサイドイベントのMOU式典では、日本の経済界において近年アフリカビジネスの際立った活動をしている事例として今回のFidsonとの戦略的資本・業務提携の契約の締結が紹介されました。

ANZA記事:https://anza-africa.com/blog/867

4、 サントリー


同社は、グローバルブランドの買収を通じてアフリカへの進出を遂げています。2013年サントリーは、イギリスのGlaxoSmithKline plc(グラクソ・スミスクライン)から、「Lucozade (ルコーゼ)」「Ribena(ライビーナ)」の2つの飲料ブランドおよび一部の事業基盤を、約2100億円で獲得しました。「Lucozade」は英国のエナジードリンク・スポーツドリンク市場において、譲渡前年の2012年の販売数量第1位。そして「Ribena」は英国の果汁飲料・濃縮果汁飲料市場において同年の販売数量第4位でした。

2つのブランドは、アフリカ諸国、東南アジアのマレーシアなど、新興国でも事業展開をしています。ナイジェリアや南アフリカのスーパーなどでは必ずこの2ブランドが店頭に並んでおり、人々の認知度も高い商品です。

同社はさらにアフリカ市場に踏み込んでいくための買収を実施。2013年のブランド買収当時は、ナイジェリアでの「Lucozade」と「Ribena」の製造・販売機能は対象に含まれていなかったものの、2016年には、アフリカ全体での事業強化を図る狙いもあり、GSKナイジェリア社の清涼飲料の事業基盤を、約90億円で獲得し、製造から販売までを手がけることになりました。

「やってみなはれ」の企業精神で多くの新商品を世に送り出してきたサントリーは海外事業に関してもグローバルブランドの大型のM&Aを積極的に行っています。

ANZA記事:https://anza-africa.com/blog/972


このようにナイジェリアへの進出の方法は、各社それぞれ特徴があります。

ヤマハ発動機は、BOPビジネスを通じて現地における認知度を高めることで、主軸事業の拡大を狙いました。一方で、味の素のように現地の価格や嗜好に合わせたマーケティングを展開する方法や、大原薬品工業やサントリーのように、現地で成功している企業と提携やM&Aを通して進出する方法もあります。

アフリカ進出の方法は各社の特徴、方針に合わせて様々で、最適な方法を見出す必要があります。ぜひ他のアフリカ進出事例もご覧いただき、貴社にあった進出方法を見つけてみてください。

現地スタートアップ


1、Paystack


Paystackは、アフリカ経済におけるオンライン決済の約15%に関わるまでに成長し、ナイジェリアで最も注目されるスタートアップと言われています。同社のサービスはE-コマースなどの支払いにおいて、クレジットやデビットカードでのオンライン決済を可能にし、USドルなど複数通貨での支払にも対応しています。

また、ダッシュボード上で収益のトレンドをグラフで見たり、出金、入金の記録をすべて確認したりできます。また、2016年12月、シード期にTencent、Tokyo Founders Fundなど国内、国外の投資家から総額130万ドルの投資を受けたと発表しました。現在は、サービスのアフリカ大陸全体の普及を目指し、特に組織体制を強化しています。

HP:https://paystack.com/

2、Thrive Agric


2017年以降、Thrive Agricはクラウドファンディングプラットフォームを4,000人以上の農家に提供しています。小規模生産者が収穫期に資金の管理やベストプラクティスの確認、および購入者と連携できるようサポートしています。シリコンバレーの会社、ハイテクアクセラレータプログラムの500のスタートアップの1社であり、世界から注目されています。

HP:https://www.thriveagric.com/

3、Mines


Minesは、スタンフォード大学で人工知能の研究プロジェクトに取り組んでいるコンピューター科学者の小さなグループによって2014年に設立されました。持続的な金融アクセスを可能にする最良の方法は、国内の機関と密に連携して、自社市場に合わせた世界クラスのプロダクトを提供することであると判断し、地域と密に関わり、サービス提供をしています。具体的には、国内の銀行、携帯電話会社、小売業者、および支払処理業者にデジタルのクレジットとしてのサービスプラットフォームを提供しています。同社のプラットフォームには、API、フレームワーク、消費者洞察ツール、ベストプラクティスに関する専門知識などの要素が含まれており、新興市場で変革的な消費者クレジットサービスを構築するためにも使用できます。

HP:https://www.mines.io/

4、LifeBank


LifeBankは、医療従事者が血液や酸素などの重要な医療製品を発見できるように、データと技術を使用する医療流通のスタートアップです。スマートロジスティクスシステムを導入して、製品を時間通りに適切な状態で病院に届けます。会社のビジョンは、アフリカ全体のヘルスケアシステムのサプライチェーンエンジンであり、今後10年間で100万人のアフリカ人の命を救うことです。また、2018年には、同社はMITソルバーグローバルヘルス部門で優勝するなど、今後が期待されています。AAICグループ(弊社)のアフリカヘルスケアファンド(AHF)も、出資参画しております。

HP:https://lifebank.ng/

5、Kobo360


Kobo360は運送の必要がある中小企業と貨物業者、運送業者をつなぐトラック輸送デジタル物流プラットフォームを運営しているナイジェリアのスタートアップです。AAICグループ(弊社)のアフリカヘルスケアファンド(AHF) も、出資参画しております。同社は、プラットフォームをアップグレードし、サービスをナイジェリアだけではなく、ガーナやトーゴ、コートジボワールなど他の国に拡大し、グローバルな物流オペレーティングシステムの構築を進めています。

HP:https://www.kobo360.com/NG/en/



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AAICのこれまでのアフリカでのプロジェクトはこちらからご覧いただけます。


<参照>
10 Nigerian startups to watch out for in 2019
https://www.pulse.ng/bi/tech/10-nigerian-startups-to-watch-out-for-in-2019/1kvv12c