【日本企業進出事例|タンザニア】もみ殻を固形燃料に変える装置を製造する、トロムソ

2020/04/18

ANZAは日本企業のアフリカ進出を支援しております。

今回は、もみ殻を固形燃料に変える装置を製造する、株式会社トロムソを紹介します。

株式会社トロムソについて


グラインドミルを製造するトロムソは、2007年、船舶向けの熱交換器を製造するハリソン産業因島の創業者で元社長の橋本俊隆氏による「海から陸に上がり新しいものづくりがしたい」との思いから、広島県尾道市に設立されました。

もみ殻固形燃料製造装置「グラインドミル」について


「グラインドミル」は、もみ殻をすりつぶし、高温で圧着することで固形燃料である「モミガライト」をつくるもみ殻固形燃料装置です。

グラインドミルが、モミガライトをつくるまでの流れをこちらの動画から見ることができます。


120キログラムのもみ殻を1時間で処理し、約10分の1の大きさまで圧縮します。利用の際の発熱量は1キログラムあたり4000キロカロリーと薪炭と同水準ではありますが、燃やしても大気汚染の原因となる硫黄酸化物(SOx)は出ず、灰は二酸化ケイ素が主成分で土壌改良剤として活用できるため、非常に環境にやさしい燃料となっています。

グラインドミルは、もみ殻を私たちの生活に有益な資材に変化させる装置と言えるでしょう。アフリカでは経済の発展に伴いエネルギー需要が拡大しています。一方で、薪炭の利用拡大で森林が減少しつつあることが課題となっていることからもグラインドミルが注目される理由がわかります。

また、厚板を張り合わせるなど造船業で培った技術や知識がグラインドミルに結実しています。もみ殻をすり潰すコア部品には船舶用のエンジンにも使われるタングステンを吹き付け、消耗とメンテナンスの頻度を抑えることに成功しました。

アフリカでの事業/動向


人口増加や経済発展に伴って今後もエネルギー需要が高まるアフリカ。2040年には2018年のエネルギー需要の約1.5倍にまで上がると予測されています。一方で、2019年の家計調査によると、タンザニアでは主な調理の熱源として60.9%の家庭が薪、28.8%の家庭が木炭を使用しており、森林の減少が課題となっています。精米の副産物であるもみ殻をモミガライトという燃料にすれば、薪炭の利用抑制と廃棄物削減を通じた環境保全につながるため、グラインドミルの需要が期待できたのです。

同社のアフリカ進出は2012年、JICAとタンザニアで市場調査に乗り出したことが契機となりました。

その後、政府関係者の視察なども多く入り、2018年までにタンザニアやナイジェリアなどに20台超を販売してきた実績があります。日本国内で1台約600万円の価格を現地では半分程度まで抑えました。

事業初期段階で現地法人やパートナー機関のスタッフを日本に招き、もみ殻固形燃料製造装置の取り扱いとメンテナンスの講習を行い、関係性構築と技術移転を実施したり、現地における販売体制とアフターサービス体制を確立したり装置の組み立てや試験、研修などを外部パートナーに任せる「労力低・粗利低・台数多」のビジネスモデルに転換したことがコストカット成功の大きな要因です。

また、グラインドミルの製造や販売だけでなく、固形燃料のモミガライトを応用した浄水器など、新商品の開発にも乗り出しています。モミガライトの炭からできる「もみ殻活性炭」をフィルターにした浄水器は、アフリカだけでなく東南アジア向けにも引き合いが強まっていて、もみ殻由来のフィルターは微小物質の吸着率が高く、ジュースも透明になって出てくるほどです。

2019年8月に横浜市で開かれたアフリカ開発会議(TICAD)で、もみ殻を固形燃料に変える装置を製造する株式会社トロムソの展示ブースに注目が集まりました。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の浸透を追い風に、今後の動向に注目です。

アフリカ展開ポイントまとめ

1、日本の半分の価格で提供
2、エネルギー需要の高まりによって引き起こされる課題に対応

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