【日本企業進出事例|南アフリカ】積極的な企業買収からのアフリカ事業展開!アフリカ17ヵ国に拠点拡大中、関西ペイント

2020.05.01
ANZA編集部
【日本企業進出事例|南アフリカ】積極的な企業買収からのアフリカ事業展開!アフリカ17ヵ国に拠点拡大中、関西ペイント

ANZAは日本企業のアフリカ進出を支援しております。

今回は、企業買収を通じてアフリカでの事業を拡大する関西ペイント株式会社を紹介します。

関西ペイント株式会社について


関西ペイント株式会社は1918年に設立された、大手塗料メーカーです。事業内容は、自動車や工業用の塗料の製造・販売、配色設計、バイオ関連製品及び電子材料関連製品の製造・販売を行っています。

2018年度の連結売上高は、4,274億円となり、国内では日本ペイントホールディングスについで第2位の業績となっています。

同社は、南アメリカ地域とオセアニア地域を除いた各地域に拠点を有しています。

アフリカでは、17の国に19もの海外事業所を設置しています。

企業買収を重ね拡大するアフリカ事業


関西ペイントのアフリカ大陸進出はアフリカ南部から進んでいきました。

2011年に南アフリカの塗料会社、Freeworld Coatings LTD.(フリーワールド・コーティングス)を買収し、同社を「Kansai Plascon Africa LTD.(以下、KPAL社)」(カンサイ・プラスコン・アフリカ)に商号変更しました。

買収前のFreeworld Coatings社は南アフリカでトップの塗料メーカーであり、2010年度の売上高は約330億円の黒字でした。同社のアフリカ進出の狙いは、アフリカでのブランド確立と低価格化を進めていき、将来的な需要獲得の事業基盤を構築し、KPAL社をコア拠点として事業展開エリアを拡大していくことでした。

その狙い通り、2013年には新たにジンバブエに進出しました。国内で塗料の製造・販売を行っており、国内においてトップシェアのAstra Industries Limited(アストラ・インダストリイズ)を連結子会社化しました。

関西ペイントは、既存の自社製品ではリーチできない低価格のローカルブランドを買収することで、「質はいいが高くて売れない」という日本メーカーが陥る問題を回避し、アフリカ進出の糸口としました。

しかし同社はアフリカ進出初期は順調に業績を伸ばしていたものの、南アフリカと周辺地域の経済が低迷した上に、通貨安による原材料の高騰の影響が重なり、2015年度から2期連続でアフリカでの売り上げは低迷していました。

そこで2017年には、経済成長速度が高い東アフリカへ市場を広げていきます。

KPAL社は、当時東アジア共同体の塗料市場で年間約96億円を売り上げ、業界トップシェアを有していたSadolin(サドリン)グループ各社を子会社化し、ウガンダやタンザニア、ケニアへ事業を拡大していきました。

東アフリカ各地域の買収により、2017年度からアフリカ地域での売り上げは上がったものの、通貨安からの原材料の高騰や価格競争の激化もあり、収益は圧迫されている状況が続いています。

ザンビアで感染症対策塗料を用いた社会貢献


関西ペイントはアフリカでの事業展開とともに、現地での社会貢献活動も積極的に行っています。

2017年、ザンビアにおける感染症対策塗料(防蚊塗料、抗ウイルス塗料)の普及事業が、JICA民間技術普及推進事業として採択されました。

現在でもマラリアはアフリカでの脅威の1つであり、2018年にはアフリカ地域だけで2億1300万件報告されており、世界のマラリア症例の93%を占めています。

建物内部に感染症対策塗料を塗装することで、感染症の予防に大きな期待が寄せられています。

また感染症対策塗料は、その効果を有するシートやペストリー化することも可能であり、塗装作業が困難な病院施設などでの活用も期待されています。

同年にはザンビアで流行したコレラの感染拡大防止のために、抗ウイルス塗料を布地に塗布したパーテーションスクリーンの同国保健省への寄付を実施しました。

関西ペイントはこのような社会貢献活動を行うことで、買収した低価格ローカルブランドから元来強みとする高付加価値ブランドへの多角化を進めていきました。

今後の動向


2018年にこれまで現地主導で海外事業を進めてきましたが、より踏み込んだマネジメントを行うために、日本から社員を派遣しています。

また、現地での製品戦略も改善をし、南アフリカでは中間層向けの品揃えを拡充させ、ザンビアやウガンダでは防蚊塗料の販売を促進し、アフリカ事業のさらなる成長を狙っています。

アフリカ展開ポイントまとめ

1、既存の自社製品ではリーチできない低価格ローカルブランドの買収を市場参入への入り口にする
2、自社製品を用いた現地での社会貢献活動の実施し、買収した低価格ローカルブランドから元来強味とする高付加価値ブランドへの多角化

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南アフリカ

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《企業情報》
■企業名:関西ペイント株式会社
■上場/非上場:上場
■従業員数:16,287(2019年)
■売上:連結 4274億円(2019年)
■営業利益:323億円(2019年)
■時価総額:約5654億円(2020年4月18日現在)
■企業URL:https://www.kansai.co.jp/

《参照》
2020年4月17日閲覧
関西ペイントのアフリカ事業について
東アフリカでの塗料メーカー株式取得について
世界保健機関(WHO)2019 年世界マラリア報告書
関西ペイントウェブサイト

 

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