南アフリカ|ビジネス基礎情報|アフリカ国別

2020.06.11
ANZA編集部
南アフリカ|ビジネス基礎情報|アフリカ国別


南アフリカ共和国(以下、南アフリカ)の在留邦人は2018年時点で1,408人、進出日本企業拠点数は273拠点と共にアフリカ大陸で最大です。

多くの日本企業が進出する、南アフリカがどんな国なのか、今回は見ていきたいと思います。

南アフリカの基本情報


以下、南アフリカの基本情報をまとめました。

面積:1,220,000平方キロメートル(日本の約3.2倍)
人口:5,778万人(2018年)
人口増加率:2.1%(前年比)
首都:プレトリア
民族:黒人(79%)、白人(9.6%)、カラード(混血)(8.9%)、アジア系(2.5%)宗教:キリスト教(人口の約80%)、ヒンズー教、イスラム教等
通貨:ランド(ZAR)
※1ZAR=5.81円(2020年5月)
公用語:英語、アフリカーンス語など(計11言語)

南アフリカの経済状況


名目GDP:4兆873,8億ランド(2018年)
1人当たりGDP:6,377米ドル(2018年)
GDP成長率:0.8%
輸出総額:935億米ドル(2018年)
輸入総額:926億米ドル(2018年)
貿易収支:9億8千万米ドル(2018年)

主要現地企業
Sasol (化学品)
MTN Group (通信サービス)
Steinhoff International (家具)
Naspers (放送、ケーブル)
Bidvest Group (総合商社)
Aspen Pharmacare Holdings (医薬品)
Remgro (総合商社)

南アフリカの1人当たりのGDPは2002年から2012年の間で、2,445米ドルから7,525米ドルになり、10年間で3倍近く拡大しました。

しかし近年はその経済成長も鈍化しており、現地に進出した日本企業からも国内売り上げが伸び悩んでいると報告されています。

しかし現地企業では他のアフリカ各国に事業展開している企業も多く、国内経済が鈍化しても、売上は好調な企業が多くあります。

そのため日本企業にとって現地企業は、アフリカで幅広い物流、販売網を有していることから、企業買収・資本提携先として魅力があります。特に、アフリカ進出の基盤づくりとしても南アフリカへの進出し、その後周辺国や東アフリカに事業を拡大する日本企業が多くあります。

次に南アフリカの貿易について詳しく見ていきます。

南アフリカの2019年の輸出先上位5カ国は、中国 (10.7%)、ドイツ (8.3%)、アメリカ (7%)、英国(5.2%)、日本(4.8%)となっています。また主な輸出品目は宝石・貴金属(17%)鉱石・スラグ・灰(14.5%)、輸送機器(12.7%)、鉱物性燃料(10.1%)、一般機械(6.1%)となっています。特に前年と比較し、鉱石・スラグ・灰の輸出は11.1%、輸送機器は5.6%の増加が見られます。ただ鉄鋼の輸出については前年比から14.8%の減少となっています。

依然として南アフリカは、国際貿易の舞台で天然資源に強みを持っており、プラチナ、金、ダイヤモンドは高い純輸出を誇っています。

自動車産業への優遇措置


日本のトヨタ自動車や日産が現地に工場を構えているように、南アフリカはアフリカでの生産拠点として注目を浴びています。日本企業の他にも、フォルクスワーゲンやBMWなどの海外のトップ自動車メーカーも現地生産を行っています。

なぜこのように南アフリカで、外資による自動車生産が活発に行われているのでしょうか。それは政府が進めている「自動車生産開発プログラム(APDP)」による優遇措置が要因として挙げられます。2020年には本制度は失効してしまいますが、2021年から2035年までの「自動車基本計画2035(SAAM)」が既に発表されており、今後も自動車産業への優遇措置が続きます。

この計画では南アフリカは、2035年までに世界自動車総生産台数の1%に達することや、現地調達比率を現在の39%から60%に引き上げること、そして自動車産業関連の雇用を2倍の24万人に拡大することを目指しています。

南アフリカ進出で予想される日本企業の課題


日本でもよく知られているように、南アフリカは1910年~1991年まで人種隔離政策(アパルトヘイト)が行われてきた歴史があります。アパルトヘイト時代に、不平等な立場に置かれ、経済的な社会参画も困難であった非白人の有色人種の経済活動に参加すること後押しする積極的差別是正措置、B-BBEE(Broad-Based Black Economic Empowerment 政策=包括的な黒人の経済的立場の強化政策)が同国の憲法に基づき制定されています。

B-BBEEでは「所有権」「経営支配」「技能開発」「企業およびサプライヤーの発展」「社会経済発展」の5つの要素から、各企業がどれだけ有色人種の経済活動に関する不平等の是正に取り組んでいるかが評価されます。

外資系を含む民間企業のB-BBEEの遵守は強制ではありませんが、政府機関および国有企業の公共調達の入札参加や、国からの許認可(例えば採鉱許可)の取得・更新などには、スコアカードの獲得点数により付与される後述の格付けレベルの取得が要件となっています。そして、スコアの高得点化には高レベル企業との取引や、コード上で規定されている認定サプライヤーからの調達といった事項が規定されており、外資系企業といえども、高レベルの取得のためのサプライ・チェーン全体での遵守が求められているのが現状です。(EY Japan HPより)

例えば、先に紹介した自動車産業の優遇措置を得るにはB-BBEEのレベル4以上(80点以上のスコア)が必要になります。

既に南アフリカへの進出を行っている日本企業からは、事業の収益性や継続性とB-BBEEの遵守を両立することが、困難であるとの声も出ています。

この制度に対する取り組みも南アフリカ進出の鍵となるでしょう。

その他の課題として、日本と南アフリカ間のFTA等の貿易協定がなく、欧州と南アフリカのFTAがあるため、日本製品が価格競争で不利になっていることが挙げられます。また国営電力会社のEdkom(エスコム)の債務が膨れ上がっていることもあり、2019年度から3年にわたり毎年15%以上の電力料金の値上げを行う予定で、現地生産コストの増加が懸念されています。

このように南アフリカならではの課題もありますが、弊社AAICでは独自のノウハウをもとに日本企業のアフリカ進出の課題解消をサポートしています。

日本企業進出事例

アフリカの音楽業界を牽引、ソニー 
アフリカで圧倒的存在感を誇る、トヨタ自動車
代理店販売でアフリカ市場進出、ピジョン
アフリカ広域にビジネス展開、小松製作所
積極的な企業買収からのアフリカ事業展開!アフリカ17ヵ国に拠点拡大中、関西ペイント

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《参照》
2020年5月27日閲覧
南アフリカ基礎データ
『新自動車産業政策を発表、計画期間は2021年から2035年まで(南アフリカ共和国)』
『ミニレポート:南アフリカ自動車産業投資ミッション派遣に向けて 成長を続ける南アフリカ自動車関連産業の可能性に迫る』
『South Africa’s Top 10 Experts』
『南アフリカにおける黒人経済強化政策(B-BBEE)の概要について』
『南アフリカにおける問題点と要望』

 

 

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