【日本企業進出事例|南アフリカ】アフリカ広域にビジネス展開、小松製作所

2020.04.18
ANZA編集部
【日本企業進出事例|南アフリカ】アフリカ広域にビジネス展開、小松製作所

ANZAは日本企業のアフリカ進出を支援しております。

今回は、アフリカ広域にビジネスを展開している株式会社小松製作所を紹介します。

株式会社小松製作所について


1921年に石川県小松市で創業した株式会社小松製作所(コマツ)は、建設・鉱山機械分野で国際的なリーダーとしての地位を確立する一方、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械や物流、サービス関連事業などの分野においても、幅広い商品とサービスを提供しています。

アフリカでの事業/動向


同社はアフリカで建設・鉱山機械の販売・サービスを行っています。
事業内容や動向について紹介します。

伸びる建機需要を捕捉


現在アフリカは人口ボーナス到来に向け成長継続の見込みとなっています。

アフリカの人口は12億人ですが、2050年までに23億人に達すると見られており、インフラ整備が急務となっている他、豊富なレアメタル・鉱山資源埋蔵量により、資源の採掘が進んでいます。

上記のような要因からアフリカにおける建設機械の需要が増加しています。

2019年時点の建機需要は、アフリカ54カ国中上位8カ国で約60%を占めており(順に南アフリカ、ナイジェリア、アルジェリア、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ケニア、モロッコ、ガーナ)、その需要の95%を建設業が占めています。

南アフリカを核とした段階的投資


同社は1961年にヨハネスブルグに事務所を設立し、アフリカ進出を果たしました。

南アフリカはアフリカ内GDPランキングで第2位につけており、豊富な好物資源があることから安定したビジネスチャンスを持っています。

同社は南アフリカを核にすることでリスクの最小化を図っています。

また、1カ国単位ではなく、周辺国を含む地域全体の市場を踏まえて新規市場進出の意思決定を行っているそうです。

これにより、事業機会を逃すことなく、アフリカ全域にビジネスを展開しています。

強力な代理店網で事業を推進


現在は、セネガルのダカールとケニアのナイロビに直轄の事務所を持ち、独立系代理店12社、コマツ出資代理店4社でアフリカ54カ国をカバーしています。

アフリカ北部は欧州コマツ(KEISA)、アフリカ東部はコマツ中近東(KME)、サブサハラ地域は本社管轄、アフリカ南部はコマツアフリカ(KAfH)というように4極体制で事業を展開しています。

アフターマーケット収益をベースに事業を拡大


アフリカ地域でのFY18期(2018年度)の需要は約1.2万台(世界の3%)、売上は1241億円(世界の5%)とのことです。

建設機械、鉱山機械の配車の増加により、安定したアフターマーケット収益を得ることが可能です。

例えば、メンテナンスや修理、そして部品の販売、他にも建機を部品単位まで分解して清掃・再組み立てを行うことで新品時の性能状態に戻すオーバーホールを行っています。

さらに『KOMTRAX』(機械管理起動システム)の導入が挙げられます。

『KOMTRAX』を導入した建機はGPSによる位置の特定や、IoTによる遠隔からの建機の状態の把握・建機の操作が可能です。

そのため、故障する前に異変に気づくことで、建機の稼働率低下を防ぐ役割を果たしたり、盗難・暴走といったトラブルも遠隔操作で防ぐことができます。

また、広大な現場での配車ポジション、稼働状況の見える化できるなどサポート体制を整えています。

上記のように質の高いサービスを顧客に提供することで、顧客満足度を向上させ、収益を増やす仕組みとなっています。

オペレーターの育成にも注力


同社は建機の導入だけではなく、オペレーターの育成にも注力しています。

ウガンダでは、2017年以降1000人以上のオペレーター、40人以上のトレーナー向け教育プログラムを提供しました。

2020年にはUNIDO(国際連合工業開発機構)運営のトレーニングが設立予定で、これより継続的にオペレーターの育成をすることが可能となります。

次に南アフリカで行われている2つの事例を紹介します。

1つ目が米国企業のCummins(カミンズ)社と共同に設立したTEC PROJECTです。

受講者が地域の工業社会で実用可能な技術を身につけるための教育プログラムが複数用意されています。例えばエンジンなどのメンテナンス技術や建設・鉱山機械の操作方法などです。

このプログラムを受講することで学生はより有利な条件で就職が可能となり、長期的には地域の発展につながることが期待されます。

2つ目は南アフリカ政府が主導するプログラムYES PROGRAMです。

これは、18歳から35歳までの未就業者に就業機会を提供するプログラムで、同社も貧困地区から現在39名のインターン生受け入れを行っています。

このように地域に根ざした人材育成を行うことで、結果として自社製品の導入や稼働の増加につながっています。

アフリカ展開ポイントまとめ

1、伸びる建機需要の捕捉
2、段階的な投資戦略
3、強力な代理店網で事業展開
4、安定したアフターマーケット収益
5、米Cummins(カミンズ社)や政府と連携したオペレーターの育成

南アフリカへの進出をご検討中の方へ

 

国別基礎情報


南アフリカ

南アフリカにおけるその他の日本企業進出事例


アフリカの音楽業界を牽引、ソニー 
アフリカで圧倒的存在感を誇る、トヨタ自動車
代理店販売でアフリカ市場進出、ピジョン
積極的な企業買収からのアフリカ事業展開!アフリカ17ヵ国に拠点拡大中、関西ペイント

ANZAのサービス


アフリカ進出計画のご相談
アフリカ駐在員によるクイック調査
アフリカ現地企業ニーズ情報の提供
現地視察のプランニング
現地テスト販売 
・メールマガジンによるアフリカ情報の配信
など幅広いサービスをご用意しております。

ANZAは日本企業のアフリカ進出を支援するAAICが運営しております。
AAICのこれまでのアフリカでのプロジェクトはこちらからご覧いただけます。


《企業情報》
■企業名:株式会社小松製作所
■上場/非上場:上場
■従業員数:連結61,908名(2019年)
■売上:連結 2兆7,252億円(2019年)
■営業利益:連結3,978億円
■時価総額:約1.76兆円(4/10現在)
■企業URL:https://home.komatsu/jp/

《参照》
2020年4月18日閲覧
アフリカ市場への取り組み
コマツレポート2019

 

この記事が参考になった
アフリカ進出をご検討中の企業様は、
ぜひANZAまでお問い合わせください。
ANZAは日本企業のアフリカ進出を支援する
AAICが運営しております。

AAICのこれまでのアフリカでのプロジェクトは
こちらからご覧いただけます。

関連記事

Pick Up

よく読まれている記事

月間
年間

まだデータがありません。

ANZAメールマガシンへのご登録はこちら

    Follow Us