日本企業がナイジェリアに進出する際に押さえておきたいポイントー基礎編ー

2020.05.16
ANZA編集部
日本企業がナイジェリアに進出する際に押さえておきたいポイントー基礎編ー

アフリカ1位の人口、アフリカ1位のGDP、アフリカ1位のスタートアップへの投資件数と投資額をほこる『ナイジェリア』。 しかし、2018年10月時点、在留邦人数はおよそ130人と非常に少ないです。

まだまだなじみのない、ナイジェリアがどんな国なのか、今回は見ていきたいと思います。

ナイジェリアの基本情報


以下、ナイジェリア基本情報をまとめました。

面積:923,773平方キロメートル(日本の約2.5倍)
人口:1億9,587万人(2018年)
人口増加率:2.6%(前年比)
首都:アブジャ(1991年12月にラゴスより遷都)
最大都市:ラゴス
第2都市:イバダン
民族:ハウサ,ヨルバ,イボ等(民族数は250以上と推定)
宗教:イスラム教-北部中心,キリスト教-南部中心、伝統宗教-全域
通貨:ナイジェリアナイラ(NGN)
※1円=3.38NGN(2019年9月)
公用語:英語(公用語)、各民族語(ハウサ語,ヨルバ語,イボ語等)

人口においては、2050年にインド、中国に次ぎ、ナイジェリアが世界人口3位になるとも予想されています。

続いて経済面。
名目GDP:3,973億ドル(2018年)
一人当たりGDP:2028.1ドル(2018年)
GDP成長率:1.94%(2018年)

2018年の一人当たりGDPは2028.1ドル。2024年までに、3315ドルに上昇すると予測されており、年率8.3%と高成長の予測です。

一方、GDPの成長率は2013~2018年にかけて2.6%、2018~2024年にかけて2.4%とほぼ横ばいです。

1つの国でありながら非常に多様である


ナイジェリアは、北部、西武、東部の大きく3つのエリアに分かれ、それぞれによって民族な宗教が異なります。そのため、ナイジェリアでビジネスをする際は、地域によってマーケティング調査を実施する必要があります。

ナイジェリア北部
北部は、ムスリムが多数派であり、産業は農業が主に行われています。
背景には、12世紀頃からヨーロッパや北アフリカ地域とのサハラ交易が北部を中心に盛んになり、イスラム教が伝わったことがあります。また、1900年にイギリスによって、北部ナイジェリア保護領と南部ナイジェリア保護領(現、西部と東部)が設立されたことが影響していると考えられます。

ナイジェリア西部
西部は、キリスト教とイスラム教が多く、産業としては商業が盛んだと言われています。

ナイジェリア東部
東部は、キリスト教がほとんどで、主な産業は石油関連になっています。

アフリカで最もスタートアップに熱い国


これまで輸出入に関して、外貨獲得の手段が石油関連に大きく依存していました。しかし、近年、ナイジェリア出身で、海外の学校で学び、そのまま数年勤務し、地元に戻ってきた人が起業する流れができています。以下、2社をご紹介します。

トラック輸送デジタル物流プラットフォームを展開するKOBO360 

Kobo360は、Uberのようにマッチングをする「B2B物流サービス」を展開しています。

創業者であり、代表のナイジェリア出身のオビ・オゾー氏は、米国の名門ペンシルバニア大学のウォートン・スクールを卒業して、JPモルガンで働いていた経歴を持ちます。

2019年に実施した資金調達では、合計3,000万米ドルを米金融大手ゴールドマンサックスや弊社のアフリカヘルスケアファンドからも出資しました。

医療流通会社Lifebank

Lifebankは、医療従事者のためのデータと技術を使用する医療流通会社です。

代表のティミー・ギワ氏は、米国カリフォルニア州モントレーの大学で学び、Global Health Corpsという米国のNPOで勤務した経験を持ちます。

弊社のアフリカヘルスケアファンドも出資参画しています。また、2019年11月には、ガーナで開催されたジャック・マー氏主催のアフリカネットプレナー賞の受賞者にも選出されました。

経済成長の裏側


ナイジェリアの最大都市ラゴスには、100年以上の歴史を持つ水上スラムMakokoがあります。

人口は20万人程度といわれており、正式な統計で残っているのは8万人です。多くの家族は漁業で生計をたてており、月収としては月平均1家庭で3万ナイラ(1万円)程度。男性が漁に出て、女性が魚を燻してマーケットで売っています。

1家庭は大体10人程度出産し、2人程度が死産してしまうため、7~8人程度の家庭を形成しています。

携帯電話の普及率は50%程度で、スマートフォンの普及率はその中でも40%程度です。

学校はプライマリースクールのみで、280人程度のキャパシティしかないため、全ての子供を就学させることはできません。

変化し続けるナイジェリア


2019年だけでも非常に変化の多かったナイジェリアですが、特にこれからはナイジェリア出身者によるスタートアップに注目です。これまでスタートアップへの投資件数、投資額ともにアフリカ1位だった南アフリカを抜き、1位になったナイジェリア。人口の多さ等を活かし、どのように変化するのか、また日本企業とどのようにコラボレーションしていくのか2020年の進展に目が離せません。

日本企業進出事例

1960年代からアフリカ進出、ヤマハ発動機 
アフリカでも多くの人に親しまれている、味の素
アフリカ最大級4億人の市場へ参入の動き、大原薬品工業
グローバルブランドの買収でアフリカ進出、サントリー

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《参照》
2020年5月7日閲覧
World Bank database
ナイジェリア基礎データ

 

 

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